• 2015年08月22日登録記事

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著名スタッフによる「サガっぽいゲーム」ということで注目を集めた、3DSのRPG「THE LEGEND of LEGACY」体験版を遊んでみました。
http://www.cs.furyu.jp/legendoflegacy/

体験版で遊べる範囲は、森の廃墟〜潜む森まで。
体験版なのに、全7人の主人公を選べるのは勿論、すれ違い通信を設定できたりスクリーンショットも撮れて、至れり尽くせりです。

体験版の仕様自体は褒めつつも、一言で纏めると、色々と惜しいゲームでした。
確かに「サガっぽい」けれど、ひたすら薄い印象。
「サガ」というゲームは、どちらかというと濃いゲームなので、骨格は似てはいるのに真逆の印象を受けたのが不思議です。
独自の要素があるのに、チュートリアルは最小限で、プレイヤー自身がトライ&エラーで学んでいくという不親切さは「アンリミテッド・サガ」に似てるかもしれません。これ自体は「自分で理解する喜び」も生まれるので悪いことではないと思います。
ゴーレムとの戦いで、最初は全滅させられるだけだったのが、水の精霊の取り合いをしていることに気付いてからは一気に安定して勝利できました。
ストーリーは無いも同然の薄さなので、戦闘で試行錯誤して楽しむゲームだと思いますが、その戦闘自体も掴めてくると、直ぐ飽き始めてしまうのが難しいところ。結局、3人パーティなのに完全にロール(タンク・アタッカー・サポート)の分業を強いられるため、戦いかたがシステムで強制されていて、どんな敵が出て来ても同じことの繰り返しとなり、飽きてしまいました。

「スタッフの名前で売ったゲーム」みたいな言われかたもしていますが、スタッフ陣の仕事はそれぞれ感じられます。
私はタイトルロゴデザインに「ヴィーナス&ブレイブス」監督・川口忠彦氏の名前があって気になっていたのですが、確かに要所の英字にV&Bを感じますし、関わったのはロゴだけだそうですが、イベント途中にナレーションで朗読調の説明があるのも、V&Bみたいだと思いました。
音楽は浜渦正志氏なので、いかにも氏らしい透明感のある曲調。
戦闘中の覚醒の気持ち良い演出の手応え等は、いかにもサガを作ってきたスタッフらしい出来です。
それなのに、なぜここまで手応えが薄いゲームができてしまったのか、とても疑問です。個性が個性を殺し合ったというほど主張がないので、お互いに調整し合って自然と薄まってしまったのでしょうか。
メイン武器を変えたら、下画面で表示されているキャラクターイラストも変わるとか、そういう地味なところまで凝っていて、非常に感心したんですけれどね……。