• 2016年02月登録記事

長野まゆみ著「レモンタルト」

……読み始めて直ぐには気付かず、1話目のオチの辺りでも違和感を感じた程度という鈍さでしたが、2話目に進んだ段階でさすがに気付いて目が点になりました。
普通に一般図書の棚にあった本なのですが、いわゆるBL本だったのですね。
登場する男が9割は男色家で、女はそれを許容しているという謎の世界観に、たじろいだ後、笑ってしまいました。
なお、この本は主人公が仕事での面倒事や事件を引き寄せ、義兄が推理するという形の連作短編集なのですが、ほとんどの謎は謎のまま終わるので、日常ミステリとしてはまったくスッキリしません。
しかし綺麗なラストで読了感は悪くないですし、文章は平易でスラスラ読めますし、なんとも不思議な空気感がありますし、ということで合う人はハマるかも知れません。その辺を語る解説(瀧晴巳)が秀逸でした。

それにしてもこの作品、主人公を女子に置き換えるだけで、普通の小説になりそうなのに、敢えてそうしないことで、記憶に残そうと言うのでしょうか。

現在地:呪われ王子の冒険・2章終了

コルネリウスでも滑空できました!

コルネリウス

緩やかに落ちて行くという感じなので、戦闘時に組み合わせるのは難しそうですが、ダンジョンマップの探索には必須のアクションですね。

接点はないと思っていたグウェンドリンが登場し、しかも優しくしてくれるので嬉しくなりました。
「ワルキューレ」では見られなかった、姉グリゼルダとの並びにもニッコリ。しかしグリゼルダはかなり気性の荒い女性だったのだな、と分かって少し怯える面もありました。

2人目だからか、早くも複雑なマップです。
まあ、こちらも手慣れたもので、死霊が沢山出たら容赦なくシャインで切り抜けたりしていますので、適正難易度かも知れませんね。
グウェンドリンのときは、チュートリアルに従って積極的に種を育てていたのですが、フォゾンはサイファーとスキルに注ぎ込んだ方が効率的だと思ったので、今のところ拾った実くらいしか食べていません。
まだモーリィの青空レストランも召喚できないので、レベルは上がり難いのですが、その分ステータスは強化されているので、思ったほど苦戦していません。
ブリガンの盾がなかなか剥がせなくて苦労したくらいかな。

プレイヤーである私の方にも少し余裕が出てきたのか、女王オデットのスカートの裾のレースだとか、ネビュラポリスの街並みの美しさなど、細かいビジュアルの美しさに改めて感心しました。

死の女王

大平健著「診療室にきた赤ずきん ー物語療法の世界ー」

小説だと思い込んで手に取ったところ、精神科医の著者による、実際にあった患者の悩みをそれに沿った童話で読み解くエッセイでした。私は啓蒙書は敬遠する派なのですが、タイトルが秀逸なので、そのまま読んでみました。
引用される童話は下記の通り。

  • ねむりひめ
  • 三ねんねたろう
  • 幸福なハンス
  • 食わず女房
  • ぐるんぱのようちえん
  • ももたろう
  • 赤ずきん
  • うらしまたろう
  • 三びきのこぶた
  • いっすんぼうし
  • つる女房
  • ジャックと豆の木

「ぐるんぱのようちえん」は知らないお話でしたが、どの作品も作中で粗筋が説明されるので引っ掛かることなく読めました。

本当にそれぞれの物語が患者と合致しているか?というと、個人的には疑問もあったけれど、精神科医に来る患者の心理と、彼らと面会し、話をどう読み解くかという手法に関しては興味深く読めました。

とりあえず、スタッフロールを見ることができました。
正直、天下を取るどころか、なにを成したという訳でもないのですが、生きたままエンディングに辿り着いたので、バッドエンドではないのでしょう。
※伝染病で死んだり海の藻屑になったりしたときは「終」の一文字だけ表示されて終わりました。

今回辿った章は、下記の通り。

  • 本能寺の変
  • 桶狭間の戦い
  • 商人信長
  • 信長の賭け
  • いざ博多へ!
  • 博多大尽
  • からくり船
  • 商売繁盛
  • 龍造寺応援
  • 波高し
  • 大海戦
  • 猛き商人
  • 龍造寺滅亡
  • 関ヶ原の決算
  • 永遠の旅

うーん、やはり「桶狭間の戦い」に負けて「商人信長」になってしまったのがすべての間違いの元ですね!

博多に逃れた後は、伯方の塩を扱う商人になり、大友と龍造寺の戦いは龍造寺、龍造寺と島津の戦いは島津、と巧いこと勝ち馬に乗りました。
最終的に、東・徳川家康と西・毛利輝元による関ヶ原の戦いが行われ、小早川秀秋の裏切りで西軍が負けるという、妙に史実通りの結末になったのですが、そもそも「豊臣秀吉」という存在が生まれなかった世界で、大谷吉継や石田三成が歴史の表舞台に登場するのは違和感がありました。

永禄十一年といえば

こんな感じに「嘘吐き!」と指差したくなる歴史を展開しておきながら、「if」を貫けなかったのは残念。仕方ないので、歴史の修正力が働いたと思っておきます。

それにしても、色々と活躍したのに、人物評は(百人中)九人しか埋まっていません。
作中で名前が出てきたのに人物評には載らなかった人物が多いです。要するに登場したらチェックされるわけでなく、全ルートをコンプリートする目的意識を作るための仕掛けなんですね。
どんな話が展開されるのか分からなくて面白かったのは確かですが、スキップ・早送り機能がないので、何周もするのは地味に辛い作業になりそうです。