• 2016年06月登録記事

松宮宏著「まぼろしのパン屋」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
趣味が高じて「パン屋になりたい」と言う妻を持つ高橋は、ある日見知らぬ老女からパンを貰い、その味に感動する。しかしパンの袋にあった住所を調べたところ、その店は高橋の勤め先である不動産会社の地上げに反対していたパン屋で、しかも店主は5年前に亡くなっていた。亡くなった店主に導かれた高橋は、店を買い取り、妻とパン屋を再建する。

表題作「まぼろしのパン屋」の他、2作収録。
粗筋にまとめてしまうとパン屋の話に終始してますが、実際は宅地開発反対運動から始まり、その後はサラリーマンの悲哀を語っていて、なかなかパン屋は出てきません。タイトルの意味を不思議に思いつつ、軽妙な形に惹き込まれて読みました。

少々、時系列等で混乱する部分はありましたが、大人向け童話という雰囲気で、さらりと読めます。
ファンタジック過ぎるきらいがあるけれど、とても優しい世界観でほのぼのしています。ただ、3作とも同じテイストなので、2作目、3作目は二番煎じでつまらなく感じました。

2作目「ホルモンと薔薇」は、なんとなくゴチャゴチャした印象。

3作目「こころの帰る場所」は、1作目と同じ作者が書いているとは思えない、堂に入ったヤンキー物でした。この幅の広さは凄いと思います。ヤンキーの更生もので終わってしまうのが、物足りない気もしました。

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福光屋のドラゴンクエストシリーズ誕生30周年記念日本酒「そして伝説へ…」が届きました!
http://dragonquest.fukumitsuya.co.jp

化粧箱は、ロト装備に使われているブルーメタルの青。表はロトの紋章、裏面はロトの剣の意匠です。
750mlなので、思ったより小さかったのが残念。
木升は一度使うと、木材の伸縮により漏れる場合があると書かれているので、使わずに置物化しちゃいそうです。もっとも、日本酒も升も消耗品なのだから、記念と思って使ってしまう方が正しい楽しみ方かもしれません。

味の感想は、飲んでから、忘れなければ……。

3DS「太鼓の達人 ドコドン!ミステリーアドベンチャー」体験版を遊んでみました。

「太鼓の達人」の良さは、アーケード筐体ならではの「太鼓を叩く」という原始的な楽しさにあると思います。よって、タッチペンのある3DSは近い楽しさを感じられるのでは、と思ったのですが、やはり指先だけの操作なので、少々物足りないですね。

ミステリーアドベンチャー

本作のウリは、物語に沿って冒険し、最大8人のパーティを組んで演奏バトルをする「ミステリーアドベンチャー」モード。
演奏バトルといっても、要は通常の演奏ゲームを成功させれば味方が攻撃して敵を倒すというだけ。でもボス戦では妨害攻撃(譜面が部分的に見難くなる)があったり、仲間の配置等で色々攻略を考える要素もあって、単純に演奏を延々と続けるだけでない楽しさがあります。体験版のボスは、初回は引き分けになってしまったのですが、メンバーと衣装を考え直すことで、レベル上げ等せず倒せました。
ちなみに、演奏バトルの曲は雑魚敵の種類(赤・白)ごとに2曲で計4種類、ボス戦(ソウルキャリバー「The New Legend」)でした。自分で選べないけれど、その分思い掛けない曲に出逢えるかもしれませんね。
少し気になったのは、会話部分が、なぜか部分ボイスであること。しかもボイス再生中は台詞送りできないので、少しストレスが溜まります。

演奏ゲーム

もちろん、任意の曲を選んで遊ぶ、通常の演奏ゲームも収録。体験版では、ナムコオリジナルの下記2曲を遊べます。

  • リスドンヴァルナの黄昏
  • DON'T CUT

正直、太鼓の達人のオリジナル曲は名曲で困りますね。「リスドンヴァルナの黄昏」は、躍動感がありつつ哀愁も漂う民族音楽感が凄く好みで震えました。
でも「リスドンヴァルナの黄昏」が収録されているサントラって、販売されていないんですね……。
あと、鬼譜面の難易度には心が折れました。腱鞘炎になるわ!

収録曲を見る限り、ボカロやゲーム曲寄りな気がしますが、ACの練習用としては役に立つゲームなのかもしれないなと思いました。

フリービルドモード「知られざる島」に行ってみました。

知られざる島

ビックリするくらい時間泥棒!
建築物をモンスターに破壊される恐れなく、好きなだけ作り込めるのは嬉しいけれど、物語や住民の個性がないのが寂しいです。

まだ屋根ができていないけれど、4章のときからイメージしていた家を造ってみました。
シルヴァニアファミリーの家の要領で、断面が見える形です。

もりのおうち

四方を壁で囲わないと建物と判定されないため、街としての機能は地下に作り、住民にはそちらで道具を作ったり休んだりして貰っています。
NPCのAIが不思議なのですが、生活空間を作ってあるのに、なぜか住民が地下に行ってくれませんでした。一度、住民たちの足下の床を壊して無理矢理地下に叩き込んだら、以後は地下で活動してくれるようになりました。それでも、ずっと地下に居続けるのでなく、たまに地上に出て来ます。また叩き落とさないといけないか、と思いきや、今度は自主的に戻っていくのが不思議です。日光を浴びないと死ぬと分かっているのかも知れませんね。

非常に遅くなりましたが、総評です。

ドラゴンクエスト1の世界観と物語付きという、ターゲット層がわかりやすい入門編サンドボックスゲームとして、成功していたと思います。
かつて「トルネコの大冒険」で、ゲーマー以外にもローグライクゲームを浸透させたように、ドラゴンクエストという国民的知名度のある作品には、新しい遊びを広める力があるのですね。私は決してドラクエ贔屓ではなく、7以降はまったく遊んでいないのですが、ちょっと感心しました。

特に、ブロックという原則はありつつも画面に美しさがあることと、それに由来するわかりやすさが良いと思います。
わかりやすさは、ドラクエの世界観を使っていることの恩恵でもあります。例えばモンスターを見ただけで「あいつは強そうだ」「魔法を使ってきそうだ」と分かります。「てつの剣」の方が攻撃力が高くても「おおきづち」の方が物を壊すには最適だと分かります。作り手とプレイヤー間でこのような共通認識を最初から得られている、ということは凄い良いと思います。
UIも、その後に「テラリア」を遊んだので、DQビルダーズはストレスが少ない作りだったとよく分かりました。任意の複数アイテムを作るパッチは、今からでも欲しいけれど。

難易度は、最初はややボス戦が難しかったようですが、難易度下降パッチ以降に遊んでいるので、まったく気になりませんでした。ボス自体は、多少歯応えがないと、頑張る必要がなくなってしまいますからね。
また、アクションは単純なヒット&アウェイで、どちらかというとギミックを生かした戦いであることが、ビルダーらしさとして利いていたと思います。

ただし、トロフィーに関しては不満があります。
各章で早解きを推奨するような「チャレンジ」項目があり、これをクリアしないとトロフィーが獲得できない仕様です。他の条件に比べて、これだけは「遊び方を強いられている感」が強く、不快でした。
取得方法を聞いた時点では難しそうに感じるけれど、工夫次第で割と簡単に取れる「爆破テクニシャン」なんかは、良いトロフィーだと思ったので、こういう方向で設定して欲しかったです。

爆破テクニシャン

もちろん、トロフィーに拘るのも拘らないのもプレイヤーの自由なので、私はトロフィーコンプリートを諦めることにしました。でも設定されている以上、気になるので、書いておきました。 

細かい不満も書きましたが、総合的には遊んで良かった!と思いました。
セールスも良さそうなので、2が出ることを楽しみに待っています。今度は、様子見せずに発売日に買いますよ(笑)。

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3DS版「テラリア」体験版を遊びました。
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000039655

サンドボックスゲームの代表格として「マインクラフト」と共に名が挙がる、世界的な人気ゲームですが……
率直に言って、魅力が伝わってこない体験版だと思いました。
そもそも、体験版の範疇で、面白さを伝えられるゲームではないようにも思います。
特に戦闘に関しては、チュートリアル中のスライムしか敵が出て来ないので、新しい武器を作っても使い勝手が試せないのが寂しかったです。
探索要素と、地形を変えていくのはさすがに面白いので、遊べばハマるとは思います。

しかし、この作品のドット絵に魅力を感じない、という点は致命傷かもしれません。全体的に見辛くて、家を建てることに喜びを感じられませんでした。
また、ユーザーインターフェースに苦痛を感じました。

まず、下画面に置いて行けるアイテムが10個しかないこと。
テラリアは採取素材に応じてツルハシ、斧、ハンマーを使い分ける必要があり、かつ敵を倒すとなると武器に切り替える必要があるので、常に4枠は装備品に使うことになります。
新しく作ったアイテムは空き枠に収まるので、大抵の場合、残り6枠の外にはみ出ます。そのため、建設作業前に、使うだろうアイテムを上の6枠に移動させておかないとならず、これが苦痛でした。
「ドラゴンクエストビルダーズ」のUIは、武器とその他のアイテムを別に管理できていたから、こういうストレスはなかったですね。後発ゲームである分、優れていました。

それから、純粋にメニューやアイテムのアイコンが分かり難いことも疑問でした。
これは、作品全体のグラフィックの悪さに通じるものがありますが、「けんせつ画面」に移るアイコンは、なぜあの形なのか理解できないし、「もちもの画面」のアイコンも、バッグというにはやや難のあるグラフィックだと思います。
操作系では「分割」「預ける」「まとめる」が分かり難かったです。押したら何が起きるのか、見た目でピンと来ないので、いちいち引っ掛かりました。

悪かった点ばかり挙げてしまいましたが、3DSならではのギミックとして、タッチペンで線を引いて建築できるのは、2D建築と相性が良さそうだと思います。