• 2016年08月登録記事

山崎マキコ著「ちょっと変わった守護天使」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
不倫相手とのゴタゴタで閑職に飛ばされた元バイヤー・本宮つぐみは、ひょんなことから年下で二次元オタクの草食男子・桜井と同棲することになる。憧れの元恋人から結婚を申し込まれつつも、桜井と「そこにいるだけで良い」と肯定し合える関係を築いたつぐみは、自分たちがそれぞれ望むままに生きていくことを選ぶ。

ちょっと変わったタイトルに惹かれて手に取ってみたら、一風変わった表紙だったので、オカルト系かと思いました。実際は、文庫で200ページという文章量と、サクサクとした読書感で、疲れている時でも楽しめるハッピーエンドのファンタジック恋愛小説でした。

仕事に全力だった三十代の女性つぐみと、三次元に興味がないオタクの桜井というカップル設定が、一番惹き込まれた点です。
私の場合、仕事人間で過密スケジュール大好きだけれど、オフではオタク趣味に生きていたり、蓄財は好きだけれどパッと外食に使うのも躊躇わなかったり、自炊の食材には拘るけれど面倒なときは栄養補給さえできていれば良いと思っていたり、と二人の意見がわかるので、「あるある」と思いながら読めました。

桜井はオタクにしては社交的過ぎて、純真で、絵にかいたような理想的な彼氏です。リアリティはないけれど、オタクを良い男として描いているのは珍しいし、なんとなく嬉しいですね。

フリービルド「知られざる島」の拠点は結局、屋根が部分的な状態で完成。
そもそも、部分的に2階があるという構造にしてしまったのが失敗で、前方1階の屋根をどう付けたらいいのか分からず、匙を投げました。

前面

裏に回ると、おや、こんなところに謎の入口が……

背面

降りると、ちょっとした地下都市が広がっています。我が「知られざる島」の人間住民は、モグラのように地下暮らしをしているのでした。

地下

※スクリーンショットを撮ったら、もの凄く暗かったので、少し輝度調節しました。

持たせている機能は、宿屋・工房・食事処・キノコ栽培・着替え部屋。
各種工房は、利便性の問題で旗の付近にも作ってあります。いわば、工房街。でも拠点扱いでないせいか、住人は誰もそちらで作業しないのが寂しいです。ビルド石を持ってくれば、工房街も拠点扱いになるのかしら。まぁ、そこまでして住人に働いて欲しいわけではないですが。

住人もそれなりに揃って来ました。人間とは各章で共闘できるので、フリービルドで冒険に連れて行く時は、魔物を仲間にしています。
多少入れ替わりつつ、たくましいスライム、メタルスライム、ゴーレム、メーダ、リカント、キラーマシンといった面々と冒険しました。
この中では、メーダが気に入っていて、島を去らないようにお気に入り登録しました。連れて歩いたときに、遠距離攻撃なので位置取りの邪魔にならず、且つ強いのが何より重要。メーダ嫌いという設定があったアネゴには悪いけれど、アネゴは島に来ないから、良いですよね!?
スライムはメタルスライムでも弱いですね。ゴーレムは攻撃の出が遅過ぎて当たらないので、リカントの方が前衛としては優秀な気がします。キラーマシンは、攻撃の度に爆煙が発生するので若干邪魔でした。

フィリップ・リーヴ著 井辻朱美訳「アーサー王ここに眠る」

【あらすじ】
孤児の少女グウィナは、アーサー王に仕える吟遊詩人ミルディンに拾われた。水潜りの上手さを見込まれたグウィナは、ミルディンが演出する“魔法”の片棒を担ぎ「湖の精」としてカリバーンを王に渡す。その後、湖の精の正体を隠すためミルディンの従者として少年を演じていたグウィナだが、やがて年頃になってしまい、王妃の侍女になる。ところが今度は王妃の不倫の片棒を担ぐ羽目になり、逆上した王に誅される寸前、辛くも逃げ出す。男と女で入れ替わる生活の末、ミルディンと王の死を看取ったグウィナは、アーサー王の最後の戦いを語る新たな詩人となっていた。

斬新なアーサー王物語。
アーサー王がいかにして伝説になったかという「現実と物語」を描くと同時に、グウィナが演じる「少女と少年」という二つの生きかたを描く、二重写しのお話です。
ミルディン(マーリン)が、ケチな戦いも大きなもののように吟じてアーサーを支援することで、伝説がどんどん膨れあがっていくのが面白いです。正確な情報が得られなかった時代であり、口コミの力を感じます。
本作のアーサーは高潔な王ではなく、その時代にごく普通にいた略奪者の一人に過ぎないし、円卓の騎士も、彼と行動を共にするごく普通の戦士たちでしかないのですが、それゆえ等身大の人物が描かれていて、伝説よりも生き生きとしていると感じました。

以下、私が本作に惹き込まれた箇所の引用です。

なんだかふたりのアーサー殿がいるような感じになってきた。わたしの故郷を焼きはらった冷酷な男と、ミルディンの物語の中に住んでいて、魔法の鹿を狩ったり、巨人や山賊と戦ったりする別の男と。物語の中のアーサー殿のほうが好きだったが、そのいさおしや神秘のいくらかが現実の男のほうにもふりかけられて、収穫の季節に砦にもどってアーサー殿に会ったときには、わたしはどうしても、この男がアイルランド海でガラスの城を手に入れたり、<黒い魔女>を桶のように真っぷたつにしたりしたときのことを考えてしまった。

実のところ、月組公演(アーサー王伝説)の予習として読み始めたのですが、アーサー以外の登場人物名が、見知った円卓の騎士とまったく違うので、最初は混乱しました。
しかしそのお陰で、ランスロットに当たる人物が登場しても分からない、という効果があったと思います。アーサ王伝説である以上、王妃が不倫するのは当然なのに、その瞬間まで気付かず、主人公と一緒にショックを受けました。

訳文は、児童書っぽい感じでしたが、お話が一区切りごとにサクサク進むので、比較的読みやすいと思います。
少し硬質な部分も含めて、血腥さと森と土の匂いがする、ブリタニアの物語を堪能できました。

TVアニメ「アルスラーン戦記 風塵乱舞」6話「列王の災難」
エンドカードは、弘兼憲史先生。アルスラーンはまだしも、ダリューンは島耕作が扮装してるようにしか見えなくて、腹筋に試練を与えてきました。
http://arslan.jp/2/

ほぼルシタニア側で終わった1話でした。
列王というから、トゥラーン側も描写されるのかと思いましたが、残り話数が足りないからペシャワール城塞の戦いは無視されそうですね。

シナリオの改変はともかく、ヒルメスの軍勢が乱入してきたのに兵士が棒立ちだったり、全体的に表現力の弱さが気になりました。アニメのいいところは「動く」ことだと思うので、もう少し動いて欲しいところ。
1期で割愛された用水路破壊が、あったことになっていました。籠城作戦を取らない理由付けとして必要な要素ではあるけれど、少し唐突かな。急にエクバターナが廃れているように見えました。
その辺も含めて全体的に、説明不足でギスカール公爵が無能に見えるのが残念です。エトワールへの言い訳は、原作の「マルヤムの遺臣が、わが兄の生命をねらっておる」の方が説得力があったのでは。
それにしても、イノケンティス七世の「皮下脂肪」ネタは鉄板ですね。

メルレインは原作より多弁だけれど、アルフリードの兄貴っぽさは出ているなと思います。アルフリードに対しては特に美少女と思わないのだけれど、彼女と良く似ているメルレインは美青年だなと感じるので、アルフリードも可愛いというより格好いい女の子なのかも。

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ご縁があって、TVアニメ「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」プレミア先行上映会Ⅱのライブビューイングに参加してきました(画像は来場者特典のクリアしおり6種)。
http://toz-thex-anime.tales-ch.jp

内容は「テイルズオブゼスティリア ザ クロス」5話・6話の先行上映、トークショー(アニメ編、ゲーム編)、宣伝告知というもの。
手元の時計によると20時05分開始、21時40分終了。最後はかなり巻きが入ってしまった中、宣伝セリフを簡素にまとめた佐藤聡美さんがお見事でした。

先行上映は、2話分を繋いだ特別編集版で上映されました。途中のOPはゲーム版TOZ、EDは特殊タイプ。
前話までの展開とまったく関係なく、ベルセリアの物語が語られました。
これまで何度も書いてきましたが、やはりアニメのみの視聴者には優しくない構成です。
内容はオンエアまで控えるとして、キャラクター別TVCMで魅力的だと思ったマギルゥが、アニメでも非常にいい味を出していました。ベルベットがひたすら深刻に重苦しくやっているので、ロクロウとマギルゥの明るい性質が目に入ってくるのだと思います。そのため、5話よりは断然6話の方が面白かったです。

トークショーの出演声優も、当然のようにベルセリアメンバー。
佐藤利奈さん、岸尾だいすけさん、佐藤聡美さんが固定で、前半のアニメトークにはスタッフ陣から外崎春雄監督と近藤光プロデューサー、後半のゲームトークにはライフィセット役の浅倉杏美さんが参加しました。
物語の暗さと裏腹に、トークは声優さんたちのテンションが高く、エンジンがかかった後半は面白かったです。
特にゲームを4人でプレイする際、女性陣(特に1P操作の佐藤利奈さん)がまったく操作を理解してなくて笑いました。「女性はゲームプレイが下手だ」という定説は嫌いですが、あれを見ると否定できません。その分、戦闘に勝った時の喜び様も凄くて、微笑ましかったです。あのコーナーだけ、岸尾さんが他のメンバーを見守るような感じになっていたのも印象的でした。

タイミング的には、良い販促になるのでないでしょうか。
近藤プロデューサーが、アニメ5〜6話でベルセリアをやると決めた時点で、ゲーム発売日は決まっていなかった、と語っていましたが、そうするとアニメの放送日程を考慮してゲーム発売日を決めた可能性もあるのかな?