• 2015年07月登録記事

畠中恵著「ちょちょら」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
新米江戸留守居役・間野新之介は、偶然次のお手伝い普請の計画を知る。任命されれば藩が潰れる普請を逃れようにも、藩には金もツテもなく、そうこうする内に他藩にも普請の噂が広がっていく。そこで間野は、すべての藩を巻き込んだ総抜けを企む。企ては老中の知るところとなるが、老中の心配事を取り除くことで、間野は総抜けを認めさせることに成功する。

「不忠臣蔵」で知った「江戸留守居役」のお役目にまつわる小説だということで読んでみました。

面白かったです。
時代小説というにはキャラクターは漫画的だし、同作家の「アコギなのか立派なのか」(2015年5月27日記事参照)と類型的なところも感じましたが、人間関係や個々のエピソードが無駄なく組まれていて、最後までどう結末が転ぶか分からない緊張感がありつつ、どこかおかしみもあって、楽しく読めました。
特に久居藩の岩崎がいい男です。この作品の半分以上は、新之介に鉄拳を加えつつ指導する彼の活躍で成立するといっても過言ではないでしょう。
もっとも、新之介の動機である「兄の死の真相を暴く」というミステリー要素が割とさらっと終わってしまう点は、少し拍子抜けしました。あくまで、話の主軸はお手伝い普請の総抜けになっているからですね。

謎のタイトルについては、折り返しに下記の用語説明があります。

『ちょちょら』
弁舌の立つお調子者。いい加減なお世辞。調子の良い言葉。
東京堂出版 江戸語辞典より

ということは、佐倉聖のような男が言葉一つで江戸城を渡り歩くお話かと思いきや、主人公・間野新之介はいきなり上役から「平々々凡々々」と評されていて、まったく「ちょちょら」ではないという最初の「ハズシ」は良かったのですが、ではなぜタイトルを「ちょちょら」にしたのか、という点は分からず仕舞いでした。

多和田葉子著「雪の練習生」

祖母から孫まで三代の主人公が語る「祖母の退化論」「死の接吻」「北極を想う日」の連作。
……その主人公はホッキョクグマ。
不思議な作品でした。

まず出だしから、主人公であるクマが会議(議題は「我が国における自転車の経済的意味」)に参加していたり、自伝を書いたり、オットセイが編集長だったりするので、これは動物が人間的社会を形成しているというファンタジーなのか、或いは寓話なのか、と考えさせられました。
2人目のトスカはサーカスで、3人目のクヌートは動物園で暮らしているので、彼らがクマであることは間違いないのですが、最初の主人公「わたし」だけは、人間と一緒に暮らしたり話したりしていて、実に不思議な存在でした。

解説で指摘されている通り、だまし絵のような構造になっているお話で、一読しただけでは難しいです。
「祖母の退化論」は、前述の通りファンタジックな設定と、物を書くという行為に対する考察と、共産圏での暮らしといったリアルな要素とが混ざって、非常に面白かったです。
「死の接吻」は、語り手が入れ替わるオチと、ウルズラとトスカの芸の表現が素晴らしくて引き込まれました。動画で実際の芸を確認できますが、実物よりも断然小説で描かれた芸の方が、美しさと迫力があると思いました。
「北極を想う日」はオチのどんでん返しがなく、どう解釈して良いのか分からなかったので首を捻りました。

作品の文章も、この不思議な作品の空気感に似合いの独特のリズム感と透明感がありました。非常に不可思議な作品なのに、楽しく先を読み進められたのは、この詞に魅了されたためかなと思います。

本日の「ドラゴンクエスト新作発表会」にて「ドラゴンクエストXI」の制作が発表。
http://www.dragonquest.jp/news/detail/1408/

PS4/3DSマルチという情報はリークされていたけれど、「高画質8頭身ポリゴンのPS4」「3頭身ポリゴンの3DS上画面」「ドット絵の3DS下画面」という実質3パターンで制作されていることに驚きました!
個人的には、昔ながらのドラクエらしさを感じる3DS版ドットバージョンが捨て難いです。ビジュアル的な作り込みは、FF15の方に期待している、という理由もあります。ただ、戦闘やイベントシーンは3D表現の方が動きがあって良いかな。
私はVI以来遊んでいないので、生粋のドラクエ好きとは言えませんが、やはり大きなタイトルなので注目しています。

TVアニメ「GOD EATER」第3話「アリサ・イリーニチナ・アミエーラ」
http://anime.godeater.jp

丸々空中戦でまったく話は進まなかったけれど、今回は面白かったです!
2話の時点で文句を付けたことについては、音響バランスは調整されて改善されたし、アクションもしっかり入っていました。恐らく、登場キャラクター数を絞っていたから、色々躍動感のある動きを描けたのでしょう。まぁ、相変わらずリンドウは片手で剣を薙ぐばっかりだし、他人の戦いを棒立ちで見ているシーンもあったりしましたが、レンカはアリサから戦いかたを盗み、アリサはそれに刺激を受けるという関係性だったので、許容範囲です。
ただ、普通に主線がクッキリ付いている、加工できてないのかなと思うカットも多々。この絵を維持しつつアクションさせるのはやっぱり大変なんでしょうね。

アリサが、単に言葉が足りずにツンツンしているだけの根は良い子として描写されていました。
例えば「旧型は旧型なりの」という台詞が、状況的にリンドウに気を使っているようにも受け取れる台詞になっていたり、という改変で、私のイメージとは違ったけれど、あまり話数もないアニメではアリサの過去話まで行き着かなそうだから、反発されないように最初からこういうキャラでいくのもアリだろうと思います。でも、この性格だと班長との衝突はなさそうですね。

ところで、あの集団で襲って来たアラガミは、ザイゴードでもサリエルでもナイトホロウでもなく、アニメ新種なんでしょうか。仲間を呼び寄せるというところは、ちょっと2の共鳴現象に近いのかなと思いました。
ウロヴォロスは、圧倒的な存在感があって素晴らしかったですね。ゲームでも、ビジュアル的には恐怖の対象としてよく出来ていたと思います。
捕喰は、凄い遠距離捕喰で狡いな!と思いましたが、もしかしたら「GOD EATER RESURRECTION」仕様ではあの遠距離捕喰も可能なんですかね。

残念ながら、次週は早速特別編。
特別編を複数回挟むということは最初から告知されていたので構わないし、1話放送の翌週から直ぐ特別編なんじゃないかと疑っていたくらいなんですが、今週が面白かった分、1週余計に待たされるのは凄く辛いです。まぁ、逆に2話の時点で特別編を挟んだら、2話の失望感で視聴打ち切ってたかもしれませんから、結果として良かったのかな(苦笑)。

TVアニメ「アルスラーン戦記」16話「落日悲歌」
http://www.arslan.jp

エンドカードはヒロユキ先生のファランギース。
一期の肌面積が広い服装で、ポーズもセクシーな感じでしたが、絵柄が可愛い感じなのであまり色気は感じませんでした。この絵柄なら、アルフリードで拝見したかったかな。

今回は、戦象部隊との戦い。
迫り来る大量の象は怖かったですね。あんなものが襲って来たら、真っ先に後ろ向いて逃げます。
空城の計で使われた人形の顔に笑いました。先々週も人形を使っていたし、今回は対戦象兵器も作らされたし、ナルサスが到着してからペシャワールの工兵はフル稼働ですね。
兵器はいきなり登場するのではなく、ちゃんと製造している描写があったのは良かったけれど、出撃報告を聞いてから鍛冶をする急拵えで、あんなに作れるものなのでしょうか。パルスは騎馬隊だけでなく、工兵も優秀なのか!
馬ごと象に乗ってしまうジャスワントにはビックリしました。ダリューン&シャブラングの人馬一体ペアですら、そこまでの曲芸はしなかったのに……。

ラジェンドラ殿下は、今のところ友軍に「おんぶに抱っこ」状態で良いところなしですが、部下のために投降しようとする下りで、悪い男ではないんだよなぁと思いました。いえ、もの凄く図々しい悪い男なんですけれど(笑)。
マヘーンドラ宰相も、かなり良い人として描写されていましたが、こちらはもう少し野心をチラつかせた切れ者感があっても良いかな、と思います。

アルスラーン戦記はナルサスがいる限り、戦況に対して緊張感はないのですけれど、次回予告はなかなか盛り上がる感じだったので、楽しみにしています。