大きいテレビ+良い音響環境で見るとDVDも良いものですね。舞台では聞き取れないモブの音声までかなり入ってる事に驚きました。PCのスピーカも良いものにすべきかな。
【第3場 神器の行方】
チュシンの星の輝く夜、王妃チャピと王妹セームは共に男の子を産む。
その夜、火天会は目覚めた神器を奪うため各地を襲う。朱雀の紅玉と護り主キハは火天会に囚われてしまう。
玄武の神器を守るコムル村の護り主ヒョンゴは、火天会が立ち去った後のサビ城で黒朱雀の徴を額に持つ幼子を見付け、スジニと名付け育てることにした……
このシーンの「チュシンの星が輝く時に」の音楽が好きです。
コーラスの中で独りだけマイク音量が強いのは大神官でしょうか? 舞台ではまったく気付きませんでしたが、DVDだと突出して聞こえます。
未涼に注目して観ると、語り部としての役を果たしながら、ヒョンゴとしての演技もしているんですね。声のトーンは全然変わらないのがさすが技巧者。ホゲ誕生のシーンを、沈黙して見詰めるヒョンゴの視線に、色々感じます。
このシーンには沢山の子役が出てきますが、神器の護り主三人の子供時代、みんな美少年・美少女ですね。少年ヒョンゴ@梅咲、少年チョロ@華耀は無条件で「可愛い」と言える美少年。でも少女キハ@月野は、子役にしてはスラっとし過ぎていて10代に見えるのが難点ですね。このシーンでのキハを認識した年齢が、そのままタムドクとの年齢差になってしまうので、もっと幼く見える子を使った方が良いかな。
「マッカツの鍛冶村では、親父が白虎の神器を剣の柄から取り外し、倅に預けて逃がしていた。倅は妹を背負って走る」と言う下り、リピートしている内に、この台詞だけで泣けるようになりました。パソン@桜は、子役でなく成長後も引き続き演じているのですが、このシーンではちゃんと少女に見えるのが流石芸達者。声が凄い可愛くて、火天会に捕まったお兄ちゃんを求めて声を上げる姿だけで涙が出ます。尺があれば、パソン兄もちゃんと登場させて伏線回収して欲しかったなぁと思います。
ヒョンゴのお父さん(前村長)はヒョンスって名前だったんですね。DVDで初めて知りました。変な名前だと思ったけれど、ヒョンス→ヒョンゴで、コムルの別の民はヒョンミョンなのだから、コムルの民は「ヒョン」と付く決まりでもあるのかも。
そのコルム村の人々の中に、個人的に柚木礼音に似て見える子がいました。「コムルの民」役は12人もいて名前不明のため、立ち位置で説明すると、スジニを拾ったヒョンゴを映したシーンで、向かって右後。私は、人の顔を見分けるのが非常に苦手で、似てない人同士を「似てる」と言ったり逆もまた然りなので、DVDを持ってる方は、似てるか似ていないか客観的にチェックして下さると幸いです。
そうそう、キハが烙印を押されるシーンで、炎の幻影の演出が殆ど映ってなくて、よく分からない事になってました。この日に照明さんが失敗したのか、DVDだと照明効果が映り難いのか、どちらでしょう?
眠れ愛し子よ、と唱う三人の中で、本当に子供を真っ直ぐ愛していたのはチャピだけなのかなぁと思うと、良い歌なのですが少し空恐ろしくなります。プルキルは強奪した少女が自分の野望に役立つから「愛し子」と呼び掛けているのだし、セームは自分と息子を同一視しているような印象を受けます。
尚、チャピはタムドクを産んで三日後に亡くなったと言う事で、これが齋藤先生演出なら、原作になくても「母の面影をキハに求めるタムドク」なんてシーンを創作したと思うのですが、残念ながら小池先生はマザコンでないため、初姫の王妃姿はここで見納め。
【第4場 成長】
チュシンの星の夜に産まれた二人の少年、タムドクとヨン・ホゲは親友として育つ。
タムドクは父ヤン王から、王になる日までは「愚かでひ弱な王子」と見せ掛けて生きるよう厳命されていた……
開幕から15分で二千と十数年が経ち、まずは主人公の子役が登場。
少年タムドク@野々はいかにも子供っぽい役作りで死角なし。少年ホゲ@白華は、動きだけ観ていると意外と少年らしく好みなのですが、残念ながら声が女の子ですね。あと気合が抜けてると「いいとも!」で笑わされます。
で、騎馬隊と第三近衛隊の円陣ダンス&諍いの間に、大きく成長を遂げた二人が遂に登場。
タムドクは台詞を言ってから下手から登場し、そこで一旦キメ。一方ホゲはその後の殺陣に割って入り、0番位置で名乗ってキメ。組替え前の大劇場公演でこんな良い扱いしてもらえた事が嬉しいです。
「俺が王なら大臣になってくれ」と言ってるんですから、ホゲはタムドクを馬鹿だとは思ってないってことですよね。どこまでタムドクは素の姿を見せていたのかな?と非常に不思議に思います。少なくとも、槍の腕は自主練習中も誤摩化してた筈。
やんちゃ坊主って感じで、可愛いなぁと思います。このシーン、初見は「銀ちゃん?」と思ったけれど、もっと若いですね。それに表情が悉く明るい。二幕の人相悪いホゲと同一人物には見えません。幕間にメイクを変えてるのかな、と言う気がします。
ホゲはお兄ちゃんぶって見えますけど、実は主要登場人物で一番年下なんですよね。チュシンの星の夜の時点で、キハ(少女)>スジニ(赤子)>タムドク(夜に誕生)>ホゲ(夜明け前に誕生)なのに、花組では演じてる人の学年が完全に逆転してるので、ファンであるほど気になる年齢関係。星組版は年齢と役が比較的合致した形になるのではと期待してます。