• 2012年03月登録記事

ネタがなくて困ったときの再録頼り。ということで、今回も2009年にエイプリルフール限定公開したBASTARD!!サイトより再録。
PS版ゲーム「虚ろなる神々の器」3章ネタバレ有り。


 割って入った大男の姿に、あっとマカパインは叫び掛け、咄嗟にその声を飲み込んだ。口が開く事までは止められなかったが、皆の注視は氷のコロシアムにあり、動揺を悟った者はなかった。
 あれは鬼忍将である。
 しかし思い出したのはそれでなかった。
 あの日、D・Sの魔術に吹き飛ばされて会った大男――!
 印象深い巨体の背を引金に、連鎖的に前後の記憶が蘇る。それは糸を手繰り寄せるよりも早く、容易い仕事であった。
 そうして確かに自身を取り戻したマカパインが、この世界に目覚めてからの己を振り返ると、先の戦いで得た二つの指針――ヒトを超えた力と対峙し思い知らされた自身の無力。初めて気付いた守るべき世界の存在――をまた見失ったために、随分遠回りしていた愚かさを自嘲するしかない。
 ただ、主君の姿で現われた「至高王」に、魔戦将軍としての使命と敬愛を呼び起こされながらも従うことが出来なかったのは、封印された記憶が僅かなりとも抵抗した結果だろう。或いは、記憶の中に残る彼が、もう一度警告してくれていたのかも知れない。

 そして初めて、マカパインはあれが四天王の一人、忍者マスターであることを知った。


マカピーは、ガラの正体をいつ知ったのかは私の長年の疑問でした。しかし、このSSを書き上げた後にコミックス9巻を買って再読し、ガラに連れられてネイと会った時ではないか?と気付きました。

グレゴリー・デビッド・ロバーツ「シャンタラム」

インドのボンベイに魅せられた白人(脱獄囚)の長い物語。
作者自身の体験を基にしているそうですが、ちょっと信じられないハードボイルド人生です。
さり気ない挿話だと思ったものが全部絡み合っている緻密さや、予想できない展開に何度も驚かされ、次々にページを捲ってしまいました。
もっとも、読み終わって全編を思い返すと、上巻を半分くらい読み進めたところから面白くなり、中巻が山場で、下巻から筆が鈍ったような印象です。主人公の説教臭さや、自慢気な感じが鼻につくところもありました。特に、いつ、どんな展開でボンベイから抜け出すのかを楽しみに読み切ったので、最後は拍子抜けしました。
読み終えてみると、混沌として理解し難い印象だったインドという国に対して、心を開く取っ掛かりが出来たような気がします。パキスタンやアフガニスタンなどの民族、情勢についても勉強になりました。
哲学的な語りが多く、中でも最も言葉を尽して語られる「究極的に複雑な存在(神)に近付くことが善」という分解理論は結構私の中で納得のいく理論でした。

登場人物は数多く、似たような名前も多いので、どういう素性の人物だったか曖昧になる時がありました。
状況が変わると印象がガラッと変わる人物もいたりして、現実的でした。一番好きだったのは、フランス人のディディエですかね。

なお、このブログの読書感想では、自分自身の勉強としてあらすじを付与するようにしてますが、本作に関しては難しい上に失礼だと思いましたので、割愛しました。

大空祐飛さよなら特集5日目。

3作目、梅田シアタードラマシティ&日本青年館公演「シャングリラ」。
→公演詳細

守護者

「シャングリラ」は完全にマンガの世界で、突き抜けた面白さがありました。ストーリーの粗は散々突っ込みましたが、思い返すと第一に「なんだかんだ言って面白かった!」という印象が残っています。
また、→Pia-no-jaC←の楽曲の力が非常に強く、未だに曲を聴くだけでノリに乗ったダンスシーンを思い出すことができます。

イラストは、空と雹。作中の2人は敵対して互いに銃を向け合ったけれど、それより前の時間軸ではこういう関係だった筈なんですよね。
「キャラ」としての好き具合のせいで、大空祐飛演じる空より、蓮水ゆうや演じる雹に力を込めて描いてしまいました(笑)。

宝塚花組「復活/カノン」15:30回(VISA貸切)を観劇。
お手伝い生徒は千幸あき。貸切アドリブはショーの中詰め開始で「VISA!カード!」の掛け声。

まず、芝居の「復活」。
トルストイの文芸作品が、ちゃんと娯楽作品として巧く舞台化されていたと思います。
誰もが、何かを失い、何かを得たような最後で、決して明るくないけれど爽やかさも感じるラストでした。要するに、副題「恋が終わり、愛が残った」ということなのかな。
ただし、カチューシャがシモンソンとの結婚を選んだのは唐突に感じました。ネフリュードフとの結婚に障害がなくなってしまったため、愛する彼を不幸にしないよう先手を打って他人と結婚した、という見た通りの解釈で良いんでしょうか?
「カサブランカ」でイルザがリックを愛しつつラズロと歩む道を選んだのは、彼への尊敬という愛があったからだけれど、この作品ではカチューシャがシモンソンを愛しているようには見えなかったので、シモンソンに失礼だと思いました。せめて2人のシーンがあれば良かったになぁ。
自分なりの「思想」を持っている女性キャラが複数いて、素敵だなと思いました。

ショー「カノン」は、一つ一つのシーンを思い返すと「タンゲーラ」「ディアボロ」「パシオン・ネグロ」など好みの場面もあるのですが、全体的にショー全体の構成がチグハグしていた印象。
例えば、「タンゲーラ」「ディアボロ」はどちらも“誘惑者”の場面だから一方で十分です。中詰は全体がイタリア風なのに最後だけ突然ラテン系になるのが不思議。「祈り」の後はフィナーレかと思いきや、大階段を出さずスパニッシュの対決シーンを挟むので、いったん盛り上がった気持ちが落ち着いてしまいました。
男役群舞シーンにおける蘭寿・朝夏デュエットには驚愕の余り口を開けたまま観劇してしまいましたが、全体的に振りは好きでした。
とにかくガンガン踊るショーで、出演者達の身体能力の高さに色々な箇所でビックリさせられました。

出演者に関しては、語ると長いので全部一言にしてみました。
蘭寿とむ:台詞を溜め過ぎ。
蘭乃はな:スカートめくれ過ぎ。
壮一帆:軽薄男が板に付き過ぎ。
悠真倫:笑わせ過ぎ。
華形ひかる:良い奴過ぎ。
花野じゅりあ:格好良過ぎ。
朝夏まなと:オーラ出過ぎ。
望海風斗:歌ウマ過ぎ。
月野姫花:アニメ声過ぎ。
……みんな好き!

OVA テイルズオブシンフォニア THE ANIMATION 世界統合編2巻・3巻の発売日が正式決定。
http://www.ova-tos.com/

2巻 2012年6月20日
3巻 2012年7月25日
次巻まで待たされることに慣れていたので、2ヶ月連続リリースは意外でした。
「VIVAテイルズオブマガジン」にてOVA内で観たいシーンを募集したそうですが、発売日から考えると盛り込めそうにないですよね。おまけアニメで対応するのかな。
シンフォニアの公式制作物はこれが最後だと思っていますので、とにかく大団円で終わるよう祈っています。

あとは、鑑賞会の日取りをどうするかですね。夏の鑑賞会となると、シルヴァラント編1巻鑑賞会以来です。
もともと、GC版・PS2版共に夏に発売しているゲームなので、夏にシンフォニア関連の動きがあると、なんとなく嬉しくなります。