• 2009年07月登録記事

つかこうへい著「蒲田行進曲」「銀ちゃんが、ゆく」

DVD感想の途中ですが、小説版を読みました。

芝居「蒲田行進曲」をつかこうへい自身が小説化したもの。第86回直木賞受賞作品。
表題作「蒲田行進曲」は、ヤス視点による小夏を引き取るまでを描いた「ヤスのはなし」と、小夏視点による階段落ちまでの「小夏のはなし」の二部構成。それに完結編として、更に階段落ちから5年後を描いた「銀ちゃんが、ゆく」を含めて読了。

まず、展開の違いで一番驚いたのは、最序盤、即ち「銀ちゃんの恋」で言えば1場Dの時点で、もうヤスは階段落ちをすると言い出している事でした。
それが、銀ちゃんの名指しと言う点も吃驚。しかも名指しされたヤスが「胸がキューンとした」と書かれているあたり、気持ち悪過ぎます(笑)。
舞台では割愛されている部分に、ほう、と思う事も多々ありました。「新撰組」が銀ちゃん初主演作だとか、舞台の「専務」は副社長と、同じく「朋子」はめぐみと合体してるなとか。それに、ジミーは大部屋の仲間じゃないんですね。沖田総司役と言えば主役級の役者ですから、当然ですよね。
しかし、何と言って良いものか、「蒲田行進曲」2編を読み終えた時点では呆然とした、としか言い様がありません。
これ程しんどい物語だったのか。あまり良い言い方ではないけれど思ったまま言ってしまえばゲスな物語だったのか。と、驚きました。
舞台「銀ちゃんの恋」で華形が作り上げたヤスは、終始一貫して銀ちゃんを愛していたけれど、小説のヤスは違う気がしました。愛が捩じれて憎悪に移行している。そして、銀ちゃんそのものに成り代わるかのように振る舞う。
小夏に対する暴力や、周囲へ吐き散らす悪意など、ヤスがどんどん人間的に嫌になって、しかも階段落ちが行われたと言う時点で終了してしまうので、正直座りは良くありませんでした。

ところが、この調子で続くのだろうかと滅入りながら読み始めた「銀ちゃんが、ゆく」は、これが驚くほど面白く、一気読みしてしまいました。
初めて銀ちゃんの魅力が分かった気がしました。
私は、「悪意のある行動を取る為に登場する」人物が苦手なので、銀ちゃんの父親と言うキャラクターには大変嫌気が差しましたが、その他は大変楽しく、時折クスリと笑わされ、銀ちゃんが死ぬまでと言うお話なのに読了感も良く、なかなかお奨めの作品と相成りました。
作中で撮影している映画「新撰組魔性剣」は、沖田が女性で、土方に惚れていて、竜馬も近藤も、最終的には土方も斬ってしまうと言うトンでもなく荒唐無稽な作品ですが、見てみたいなぁと思う力に溢れていました。銀ちゃんや、作中の人物が入れ込んでる「キネマ」って、こういうものなんだろうなぁと感じます。

ちなみに「銀ちゃんがゆく」で、一番株を上げたのは橘でした。冒頭の葬式での行動に、泣きたいような笑いたいような、不思議な愛を感じました。
大株主の息子と言う設定が良いですね。「銀ちゃんの恋」の真野すがたが橘でぐんと一皮剥けたのは、どこか地に足が着いてない、泥臭さがないと言う部分で役が合っていた為かもと思いました。
また、語り部を担ったマコトが銀ちゃんのことを本当に好きなので、読んでいてほっこりしました。

そんな次第ですので、お読みの際は「蒲田行進曲」のみでなく、完結編「銀ちゃんがゆく」も併せて読まれる事をオススメ致します!
もっとも、どちらも入手難な本ですが……。

名古屋に行っていました。
名物は、ひつまぶし@やっ古の他に、味噌かつ@矢場とん、それと、あんかけスパも食べました。
味噌かつは、結構好みかも〜と思いました。ただ、沢山食べると大変な事になりそうなのと、もし丼で注文した場合は御飯にも味噌が付いてしまうので、ちょっと重そうだなぁとは思います。
ひつまぶしは、関東で食べる鰻と違って表面が比較的カリッとしていて香ばしく、驚きました。薬味だとか、つゆをかけて食べると言うのは初めての経験で、これはこれで美味しいですね。
名古屋名物で最も好き嫌いが分かれると聞いていたあんかけスパは、まぁ味はそんなに悪くなかったのですが、パスタが凄く柔らかくて、それが個人的には厳しかったです。

でも思い返して一番美味しかった食べ物は、李さんの台湾名物屋台だったような……
店長氏がマスコットキャラとそっくりで、思わずニヤっとしてしまいました。

久し振りにゲームの話題を、と思い今年のゲーム音楽コンサートのこと。

http://videogameslive.jp/
VGLが遂に来日するんですねー。
なかなか遊び心のあるコンサートで、「ポンを演奏」したのは珠玉の笑いでした。
日本ゲーマーにも人気があるし、日本製ゲームの曲を数々演奏してるので、いつか来るのではと思ってましたが、本当の展開になると、少し感慨深いですね。
ちなみに、日本製ゲーム曲コンサートだと、以前誘って頂いたファミ通主催のPRESS STARTが、VGLを意識したような感じでオケ演奏+ゲーム映像構成でしたね。あの時のシューティングメドレー映像もKONAMIの著作権の影響で面白かったなぁ、と今でも思い出し笑い可能です。
ちなみに、今年のPRESS STARTは東京芸術劇場大ホールなんですね。比較的こじんまりしてるけど、良いホールですよね。聴衆側で入った事がないので確実なことは言えないけれど、舞台からは音響も気持ちよく伸びると思いました。
レジェンディア楽曲が演奏されるとの事で、BGM評価の高かった作品なので良かったなぁと思います。他の曲目では、花@俺屍が聞きたい!
そして大神が演奏されるのは、今私の周辺で「旬」なので、偶然とは言え面白いですね。

発売日は明日ですが、本屋に出ていたので「TAKARAZUKA REVUE 2009」を購入しました。

通称・レビュー本。
ちなみについ先日、「REVUE 2008」を購入してます。何故あと少し待てば最新号が出るのに、一年前のムックを買ったのかと言われると、我が事ながら釈明し難いのですが、娘役トップスター充実の時代が終わっちゃってしまった寂しさに、思わず……。

今回のレビュー本は、誌面の割合からみて、二番手が美味しいと思いました。
トップスターと娘役は、宙組の事情の為か、写真と個別のインタビュー。二番手は二番手同士で対談と言う形でした。
写真はトップの方が大きく割いてもらってるけれど、一人頭の総ページ数は同じだし、インタビューのみのトップに対し、二番手は対談+インタビュー+相手からの印象、と言う美味しい構成。対談組み合わせ自体は、同期だったり元同組だったりで、あまり面白みのある組み合わせでないと思ったのですが、親密だからこその軽快なやりとりで、結局は面白かったです。
私は実は最近、霧矢大夢の芝居が合わない気がしていたのですが「何もせずただ立っていられる役を出来るように」と言う目標が凄くて、やはり凄いと感心しました。「何もしない」演技が一番難しいことがよく分かってるなと。一人だけ、目指している次元が高いですよね。

なお、トップ〜三番手辺りの組単位での絡みを少しだけ期待していたのですが、そう言った要素はありませんでした。
目当ての大空祐飛は、ちょっと珍しいフェミニンな雰囲気の服。
自分の相手役について語る時に「野々すみ花さん」と言う所に配慮を感じました。
依然、エリザベート特集本IIで、自分より学年下の凰稀かなめを「さん」付けで呼んでいて、ジェンヌ同士では珍しいなと思ったのですけれど、インタビュー時は敢えてしてるのかな、と。対談だと普通に愛称で呼び合ってるので、多分話し言葉ではなく文章として出来上がった時の事を考えてるのではないかなと思いました。

娘役は、それぞれ見開きページ1枚の気合の入った写真。
良い驚きとして、桜乃彩音がお姉さん風の雰囲気で素敵でした。最近、彼女は成長してるなぁと思い、苦手じゃなくなってきた感じです。
一番可愛いと思ったのは、やはり夢咲ねね。思ったよりお嬢さんっぽい品の良さもあり、星組観劇が楽しみになりました。
野々は、若いのに「良妻」感が既にたっぷり。受け答えが常に相手役がありきの回答で、意外と古風な娘役だなと、最近思い始めていた通りの印象でした。

細かく言い出すと、ラインナップ紹介でトップ五人中三人が太王四神記コスで笑えるとか、音月の扱いについてとか、城咲が三番手チームに混ざってる事だとか、北翔の「オサレ」度が飛び抜けている打とか、涼の着てる服が高いぞとか、凪七を娘役と間違えたとか、夢夏が柚希に見えたとか、色々ありますが長くなるので割愛。
若手スターの役作りに関する話なんて、なかなか参考になりました。

オールカラー、DVD付きと言うことを考えると、全組満遍なく宝塚スターが好きなら、損はしない一冊ですね。
問題は、DVD袋をどうすれば一番綺麗に開けるだろうと言う難問に悩まされて、2008、2009共、DVDは見る事が出来ていない点でしょうか。

「たまごスクランブル」に関する基本事項はこちら

▼ストーリー
基本は「たまご盗難事件」の解決。ダンジョンに潜ることでイベントが進行し、100階に到達すると自然と解決する。
他にサブイベントとして、町とダンジョンを交互に行き来する事で進行するサイドストーリーを3本ほど用意予定。


たまごダンジョン(仮)には、たまごマイスターとその弟子がひっそりと暮らしていた。たまごマイスターがダンジョンへ探索へ出ている間、たまごを管理を任されていた弟子が、ある日、いつものようにたまごの数を数えると……
「――た、たまごがないっ!」
倉庫に残っていたたまごは、たったひとつだけ。
慌てた弟子は、22枚の不思議な力を持つアルカナカードの力を解き放ち、その中から現れた超常の能力者タロットたちをたまご捜索の為に送り出したが、彼等も、たまごマイスターも帰ってくる事はなかった。

その頃、主人公はたまごダンジョンの上に広がる大地で昼飯を食べようとしていた。弁当のゆでたまごをつまみ上げたその時、コロコロコロ、と転げ落ちたゆでたまごは、地面にぽっかりと空いた穴の中に落ちてしまう。
こうしてたまごダンジョンの入口に辿り着いた主人公は、渡りに船として弟子からたまご&タロット回収を依頼され、タロットの少女・ワールドと、ひとつだけ倉庫に残っていたたまごから産まれたたまご兵士をお供に、広大なたまごダンジョンを探索する大冒険が始まるのだった。


※たまごマイスターの弟子には、レシュトと言う仮の名称あり。
※「たまごマスター」は主人公のクラスに使いたい為、次善策でマイスターと命名。