• 2011年12月03日登録記事

宝塚宙組「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!」11:00回を観劇。
レニーの冒頭アドリブは「石田三成」でした。台詞物真似はなし。
まだ1週間ですし、土日なので初見のお客様が多いのか、ミーナの客席登場などに新鮮な反応がありました。

観劇3回目。通常公演日のつもりが、前日に公式サイトで全組に渡る大異動が発表されたため、劇場前や幕間に興奮気味の話が聞こえる状態でした。
また、観る側としても演出に色々な意図を勘繰ってしまって、マリオ@北翔海莉の銀橋ソロや、サルヴァトーレとの別れの抱擁シーンへは拍手が厚かったと感じました。
その他メンバーの入れ替えも色々衝撃的でしたが、今は現宙組スター布陣を最後までしっかり楽しみたいと思います。
参照:宝塚歌劇 新着情報2011/12/02「組替えについて」

個人的に、芝居は必ず2ヵ所で泣いてます。
1つ目は、少年サルヴァトーレがアレッサンドロ親方に引き取られて大泣きするシーン。
2つ目は、ポケットの縫い付けをしている職人ニーノ@月映樹茉の台詞です。
あの台詞だけなのに、彼の背景を凄く感じます。
落ちこぼれのニーノでも可能な仕事は「ポケット付け」だけ。それは他の職人から蔑まれ馬鹿にされる仕事だけれど、でもサルヴァトーレは彼に働く場を与える為にその仕事を命じた。そして、ニーノ自身もその仕事に自分で意味や誇りを見出して全力を投じている……。
ルッカやミゲルの方が、サルヴァトーレが彼等にとってどれほど大きな存在か分かりやすく語ってくれているけれど、たぶん彼等は他のテーラーでも働けるんじゃないかな、と想像しています。
それだけに、ニーノのような人を雇って一流の仕事をさせてやったということが、サルヴァトーレの最大の功績のように思うのです。

今日は、グランチェロの本公演で退団するメンバーの1人、ミゲル@光海舞人を中心に追って観ました。
小道具が充実しているので、仕事場の作業はしっかり芝居が出来て楽しそうですね。
マリオのストライキ時は、マリオの意見に揺らぐ気持ちもあるけれど、基本的にはサルヴァトーレ支持でマリオを説得しようと考えている側、という雰囲気を感じました。

アメリカ撮影チームではマシュー@蒼羽りくを中心にチェック。
かなり軽薄ですが、ミーナを連れて来た本人なので、他のメンバーのように頭から非難せず、なんとか雰囲気を盛り上げようとしているのが優しい奴なんだと思います。彼女を見つめる目の感じからして、性格的にも優しいんでしょうね。
ただ、職人たちのプライドやサルヴァトーレの拘りは理解できなくて、そういう部分は大量生産の国アメリカっ子。イタリアはあまり好きではなさそう。その辺はプロデューサーであるフランク寄りで、レニーがイタリアに残ると主張した時は理解できないという顔でした。
逆に、同じアシスタントでもポール@星吹彩翔は、レニーを置いて行くことを最後まで心配してる様子だったので、レニーとの仕事が好きだったのかもしれませんね。

あとは、花売りと靴磨きの兄弟が、旅芸人の一座の出し物が始まる時からいて、靴磨きを失敗して客を怒らせる小芝居をしていることに気付きました。
弟が失敗を取り戻そうと必死に力を入れて、兄の方は客の目を逸らそうとして必死に花を売りつけようとしているのが、なんとも言えず可愛いけれど、貧しく教育も受けていない子供たちなんだと言うことも一層強く感じました。

芝居が色々と行間を読む方面で刺激してくる分、ショーの語りが少ないですね。
客席降りの時に、大空氏が1列31番の客と超接近していたのですが、OGか他組子が来ていたのでしょうか? 遠くから思わず「羨ましい……」と歯軋りしました。
また、今日は下手寄りだったので、通路に来るセクシャル9の顔触れがこれまでと違って楽しかったです。
オペラ越しですが、恒例である鳳翔大のウィンクも確認しました(笑)。
でも今公演からはウィンク連発を止めて、流し目路線に変えて来たように感じます。芝居の雰囲気のまま、ノーブルな感じを維持しているのでしょうか。
百千糸のエトワールは、実は期待値が高かった分、宝塚大劇場で聞いた時は少し期待外れに感じていました。恐らく前回エトワールの七瀬りりこが超絶歌い上げ系だったので、その差に戸惑ったのでしょう。その先入観を外して聞くと、可憐で可愛い、少女そのもののような雰囲気で、歌詞と合わせて聞くと非常に良いエトワールだなと思うようになって来ました。