• 2011年12月23日登録記事

宝塚宙組「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!」15:30回を観劇。
今公演、唯一の2階席でした。
2階後方席から統制された拍手が入った御陰で、盛り上がって楽しかったです。

いつも通り、まずは芝居から。

当然の事過ぎて書き忘れていましたが、サルヴァトーレ@大空祐飛が好きです。
パオロの店でピザを食べた後、指を擦って粉を落とす仕草。思い出のアレッサンドロと決裂した瞬間に見せる迷子のような顔。ナポリまで追って来たミーナに「なぜ?」と聞いてしまう鈍感さ。そして修行時代のサルヴァトーレ@桜木みなと
回を重ねるごとにハッキリと見えてくる素顔が可愛くて、思わずニマニマします。

しかし一方で回を重ねるごとに気に障るものもあって、今回はレニー@凰稀かなめの演技に物を申したくなってしまいました。
美味しい役なのに、台詞通りに喋っているだけに感じます。一ヵ所だけでも演出指導できるなら、サルヴァトーレへのインタビューシーンで、間を入れて欲しいです。「本当の自分」を質問した後、彼が答えに詰まって項垂れた時に、1秒の間を入れるだけで段取り感が消えるはず。
レニーを「相手に考える間を与えず喋り倒して自分の意見を押し通す」という人物像で描いているなら、今のままでも良いのですが……。
あとは独特の高い台詞回しも、前回公演の疾風役くらい抑えて欲しいです。

逆に、初見の感想を辛口にしたジャコモ@十輝いりすですが、演技が良くなってきて、油断できないライバルという雰囲気が出てきました。
ところで、ジャコモのお付き3人衆で、天玲美音ではない男役が好みの美形であることに突然気付きました。風羽玲亜で良いのでしょうか? 次回から注目しておきます。

マリオの送別会で、上手の職人たちが座っている席の小芝居が気になりました。
今日の感じだと、ルッカがお針子の1人に気があり、ミゲルたちが2人を纏めようとしているものの、彼女の返事はあまり芳しくないみたいですね。
面白くてずっと観てしまったけれど、彼等にマリオを見送る気持ちはあるのでしょうか(笑)。

さて、ショーは一場面で大人数が登場するため、どこを見るべきか毎回悩まされます。
特に今回の場合は、下記の理由で視線の右往左往度合いが増えています。
・見納めとなる退団者を観たい
・異動発表された春風弥里を観たい(十輝いりすは中日劇場があるので後回し)
・芝居の影響で、チェック対象に澄輝さやとと桜木みなとが追加された
あと1回、想い残すことがないようにしっかり観なければ!

全編通して対で使われているYAMATO@蒼羽りくNADESHIKO@伶美うららですが、ダンスの実力に差があり過ぎて、同じ振り付けに見えないのが面白いです。
ちなみに、同じ「ダンサー」でも、華のある蒼羽りく、緩急のある珠洲春希、やる気100%で全てがフルスロットと言う印象の春風弥里と、ダンスの違いが面白いです。
例えば歌い継ぎで野々すみ花が銀橋を渡る時、本舞台で踊る3組に、男役が娘役の腰に手を回す振り付けがありますが、春風の抱き寄せ方が一番深く、踊る相手への愛情を感じます。
体の使い方が大きい春風は、喜怒哀楽が激しい人なんだろうなぁと勝手に想像しています。
ちなみに、同シーンの寿つかさはあくまでダンスパートナーと言う感じに端正で、鳳樹いちは優しい抱き寄せ方だと思います。

以下、シーンについて思っていることを少し書き残しておきます。

「Yak」で「Hey you!」と割り込んでくる野々すみ花はとにかく可愛い。

「Young Blood」は、オークション対象の本人より、周りを観ている方が面白いことがあり、特にMr.アフリカとMr.ウェスタンの時の男役陣の反応が楽しいです。
ナイスアイドルYは暗転する最後の瞬間までサービスしてくれるので、「俺だけを観ろ」を実践させられますね。

中詰の男役の群舞(13場)で、途中踊るメンバーと静止するメンバーに分かれた時に、どうしても踊る方を観てしまうのですが、実は静止している後方メンバーが物凄く格好良いというジレンマ。

セクシャル9は、実は鳳樹いち君のアピールが派手でとても気持ちいいと思います。
実はメンバーに入っているのが意外だったのですが、好きなので嬉しいし、本人も楽しんでいるような気がします。

最後、「Yawp」のシーンでは、男役群舞が観るほどに愛おしくなって堪りません。
スターの新陳代謝が行われるのが宝塚の常ですが、大空体制の宙組を支えて来たメンバーが揃って、祐飛くんが真ん中にいる、この光景をずっと観ていたかったんだとつくづく思います。
せめて、退団までこの光景を観ていたかったです……。