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天の響フォーム(4月15日21時38分)への返信です。
コメント有難うございます。
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佐川芳枝著「寿司屋のかみさん、エッセイストになる」
新聞投稿時代から処女作「寿司屋のかみさんうちあけ話」を書き上げ、その後、作家として成功するまでを綴ったエッセイ。
著書はまったく読んだことがなく、「寿司屋のかみさん」と「エッセイスト」の関係性が気になって手に取ったのですが、読んでみると、エッセイの書きかた、及びエッセイストとして活動するお手本というべき一冊でした。
投稿謝礼や賞金、印税、講演料など赤裸々に金額まで述べられているので、その辺の下世話な興味も満たしてくれるし、苦労話にも自慢話にもせず、カラリと書かれているので、すいすいと読めます。
おかみさんの驕らない姿には、学ぶものが多いと思いました。
お店の名登利寿司にも、いつかお邪魔してみたいです。
http://natorizushi.sakura.ne.jp
ようやく、春アニメ視聴候補全作品の1話を観れました。
遅くなったのは、「シンドバッドの冒険」をBSで録画しなかったためです。
実はもう3話まで見て、最初の事件は解決済みです(笑)。
初回は1時間スペシャル。
面白かったです。
エミリアがあんなテンプレートなツンデレだとは思ってもいなくて、笑いました。
スバルが2回目の死でも、ループに気付いていないのはもどかしかったですが、死んだ直後で混乱していると解釈できましたし、それほど展開が遅いという気もしなかったです。
それにしても、スバルはこれほど高いコミュニケーション能力を持ちながら、なぜ自宅警備員だったんですか?
以前お邪魔したガンダムバー「クワトロ・バジーナ」(2012年2月22日記事参照)でOVAを流していたので、部分的に視聴しており、主人公とヒロインは直ぐ思い出せました。バナージは、ニュータイプなのに割と普通の少年ですよね。
現時点ではまったく話が分からないですが、とりあえず1年戦争の流れから進化した機体(ビーム兵器装備)が格好良く戦っているだけで、結構満足度が高い感じ。
宇宙世紀は話が繋がっているのに、私はZ〜ZZの期間が抜け落ちているのが困ります。でも1年戦争と逆襲のシャアは押さえてあるから、なんとかなるでしょう。といいつつ、私の1年戦争観は、小説版なんですが……。
http://www.project-magi.com/sinbad/
原作及び派生元作品「マギ」ともに未見。
1話は、まるまる序章という形で、メッセージ性はあるけれど、訴求力のない始まりだと思いました。
マギを見ていれば、過去にこんなことが!と盛り上がれたのかもしれません。
一番のネックは、シンドバッドの父バドルが格好いい男に見えなかったことです。
報奨金を貰わず、戦争に非協力的な姿勢を示すのは、家族を守ることに繋がっていません。自分のプライドを守っているだけに見える。戦争で疲弊していると言いながら、町に五体満足な男たちがいるので、傷痍軍人が町で暮らすことが禁止されているとは思えません。
私自身が女のためか、バドルが単に意固地なせいで、母親が苦労していて可哀想だと思ってしまいました。もし、戦場に行かない男がいるだけで非国民と扱われる設定だったなら、そうとわかる描写にして欲しかったです。
続きを見る必要はないかな、と思ったけれど、連続放送で2話も録画してあるので、一応視聴予定。このあと、2話で意見が引っ繰り返ったら、己の不明を恥じます。
室積光著「ドスコイ警備保障」
【あらすじ】
引退した力士の就職先問題を解消すべく、相撲協会理事長の肝入りで警備会社「ドスコイ警備保障」が立ち上がった。元力士の社員と、それぞれ事情で元の会社を退いた幼馴染み経営陣は、第二の人生を切り開くべく、会社での活動に打ち込んでいく。
「史上最強の内閣」の著者らしく、著名人のパロ満載で、トントン拍子に進んでいくエンターテイメント作品。
ガードマンとなる元力士たちは「気は優しくて力持ち」だし、経営陣は明け透けで根から善人揃い。一番生き生き動いているのは、力士でも幼馴染み組でもない松村だけれど(笑)。
悪人役としてはテレビ局のディレクターがいますが、それも単純に嫌な奴と断じられない馬鹿な面が描かれているので、あまり深刻にならず、純粋に設定や掛け合いを楽しむ小説だと想います。
敦子が大東山と結ばれたのには驚きました。
その辺の展開を、あえて描かず松村が伝聞で知るという構図にして、読者と一緒に驚かせたのは、手法としては有りだけれど、個人的に釈然としません。
私はずっと、松村がそう思っていたように、敦子は豪勇と結ばれると思って読んでいました。そう思うに足る描写があったからです。大東山にはそれがなかったので、相手が豪勇でない、という驚きを与えるために作者の意思で選ばれたように感じます。運命の恋だというなら、それを感じさせて欲しかったです。
全力で巫山戯ているけれど、中身は結構真面目です。
あんまり自分の考えにはこだわらない方がいいですよ。丸田さんがよく言うんです。こだわりを持つのは良くないことだって。ほら『こだわりの店』かなんか、こだわることがいいことみたいな風潮があるじゃないですか。それは間違いだって。こだわることは自分の狭い経験や考えの中にこもることだから、そこからいいものはできないって。
などの、要所で語られる価値観にはなるほどと思われされました。
田辺聖子著「とりかえばや物語」
【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
権大納言の2人の子供は、男女が入れ違った性格のまま長じ、遂に姫君の春風は男として元服、若君の秋月は女として裳着を行った。栄達した春風は、ある日同僚の夏雲と男女の仲になり、妊娠してしまう。身を隠し、夏雲の保護下で子供を産んだ春風だが、男に囲われるのでなく思うままに生きたいと、子供を夏雲の下に捨て都へ帰る。男に戻った秋月と入れ替わり尚侍として宮中に入った春風は、やがて帝に見初められ、ただ一人の女御として寵愛を受ける。
「おちくぼ物語」(2016年4月18日記事)が面白かったので、引き続き田辺聖子訳の古典です。
お話自体は、少女時代に氷室冴子の小説、及び漫画版「ざ・ちぇんじ!」を読んでいるし、「マリア様がみてる」でも登場するため、既読のつもりでしたが、実は初読。
訳者による潤色が強かった「おちくぼ物語」と異なり、本書はあくまで原典の現代語訳という立場を守っていました。それでも、とても読み易いし、主人公の春風に寄り添って楽しく読めました。
男女のドロドロとした関係が多くて驚かされました。
秋月が尚侍として仕えている間に東宮を妊娠させる上、男に戻ると次々他の女性たちに手を出す色好みになってしまうのは、後味が悪い気もします。そんな浮気性の男たちですが、どこか仕方ないと思わせる愛嬌があるのは、平安貴族ゆえでしょうか。月日が経った後でも「あのひとはやっぱり、月へ帰ったのだ……。かぐや姫だったのだ」と想っている女々しさが、可哀想でもあり、笑えもして、なんだか嫌いになれませんでした。
「ざ・ちぇんじ!」は少女向けに巧く改変しているんだなと改めて感心もしましたが、春風が男の生活を止める理由付けは原典の方が納得できますし、産んだ子を捨ててまで自我を取り戻すという展開は、古典だからこそ描けるエピソードかなと思います。
そもそも、現代の新作だったら、春風と秋月は性同一性障害となって、元の性の生活に立ち返る展開にならないかも知れませんね。