• 2016年04月06日登録記事

エーリヒ・ケストナー著 池田香代子訳「エーミールと探偵たち」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
祖母のいるベルリンへ行く列車に乗ったエーミール少年は、居眠りした隙に、愛する母親から預かった金を盗まれてしまった。エーミールは、街の少年たちの協力を得て犯人を追い、金を銀行に預けようとした犯人を捕まる。

ケストナー作品は「飛ぶ教室」「二人のロッテ」を子供時代に読んでいますが、本書は初読。

展開は非常に真っ直ぐなものです。犯人は最初から分かっていて、少年たちがするのは尾行程度なので、無理がありません。
犯人を追い詰める段階になると、大人たちも、真面目に子供の話を聞いてくれます。
ただ、お金がエーミールの物だとどう立証するのか?という箇所が肝で、読み進めながら密かにドキドキし、この難問を解決できた瞬間、ホッと息を吐きました。

他愛無い話なのに、そうやって応援したくなるのは、エーミール少年が母親想いで性格の真っ直ぐないい子だからです。
また、金を盗まれたことを警察に訴えず自分で追い掛けることに、子供らしい理由があって、そこも可愛く、少年の思考として無理がないと思いました。

また、エーミールに協力する少年たちは沢山いますが、エーミールの祖母が言う通り、ディーンスターク少年が偉いです。
ディーンスタークは犯人の追跡をしたいと立候補しているのに、電話係にされてしまい、けれどその任を完璧にこなします。子供なのに仕事に対する責任感を抱いているのが素晴らしいし、且つそのことが最後にきちんと評価されているので、とても嬉しくなります。この辺は、ドイツの国民性かな、などと思ってしまいますね。