• 2016年04月登録記事

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品川にある、日本酒の古酒専門バー「酒茶論」
http://shusaron-online.com

日本酒にも「古酒」「ヴィンテージ」という概念があると驚かされるお店。
写真の「飲み比べセットA」を始め、あれこれ飲んでみましたが、年代が違うことによる熟成の変化は分かるとしても、同じ程度の年代でも、銘柄によってまったく異なる味わいをみせるので、一口には語れません。
日本酒だなと思う味もありますが、ほとんどはワインのようだったり、ウィスキーのようだったり、とにかく一杯ごとに驚きがありました。色も、琥珀色だったりしましたしね。

バーなので、食事はおつまみのみ。
こちらも穴子の一夜干し、梅干しの燻製など、珍しいものが多いです。
日本酒なのに異様に合う「オランジェットのチョコレート」が、非常に美味しいオレンジピールでした。

本館から少し外れた階にある丸い外観の店舗は、まるで秘密基地のよう。店内は酒瓶が並んでお洒落な雰囲気です。
お値段は若干張りますが、近くに寄ることがあれば、日本酒好きを誘ってまた訪れたいお店です。

1章(メルキド編)をクリアしました!

ステージリザルト

しかし、悲しいくらい成績が悪いです。
死亡回数のうち、1回はお城の屋根を剥がしている最中の落下事故、1回はまほうの玉の暴発、1回はゴーレム戦敗北と思い出せるのですが、あと1回はなんだったかしら。おそらく、記憶に残らないくらいつまらない死にかただったと思われます。
ドラゴンは2体倒してあるので、あと1体探して撃破してから次の章に行きたいと思います。おおきづちの墓は、イベントは起こしてあるんだけれど、墓造りの方法を知っているおおきづちが見付からないのですよね。

ゴーレムを撃破し、暗雲を晴らしたメルキド地方はこんなにも美しく、私の作った町を見て!と誇らしい気持ちになりました。

メルキド

ゴーレムの攻撃を受けて、ちょっと壊れたままですけど……。

お話の方では、ロロンドとロッシが完全に対立して気を揉まされていたのが、ロロンドも非を認めたし、ロッシが町への想いを告白したことで、巧くまとまって良かったです。
此処に残っても良い、と言ってくれたのも嬉しく、事実この土地でダラダラ過ごしたいところだけれど、ルビスさまも待っているので、2章には進む予定です。

最後に、思い出のスクリーンショットでも。

「メルキドシールド」の素材確保のため、ストーンマンが出現するアーチまで往復しなければならなかったので、旅の扉からアーチまで直通の橋を作りました。
そうしたら、ストーンマン(大)が橋の上に出現したのでビックリさせられました。

橋の上のストーンマン

それから、我が家の主人公が、物を作る「ビルダー」でなく、「ブレイカー」な気がする破壊の様子。

ジャンプ攻撃

町の住民の方が、積極的にアイテムを作ってくれます。住民が作って収納箱に入れてくれた「石の窓」「バスタブ」「そうび展示台」は、私には未だに作れないアイテムです。みんなの方が、よっぽどビルダーなのでは……?

田辺聖子著「おちくぼ物語」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
宮家の血を引く中納言の姫は、継母の苛めで「落窪」と呼ばれ、婢のような扱いをさせられていた。そんな哀れな身の上に興味を持ち、遊びで落窪に近付いた右近衛少将だったが、落窪の清らかさに真実の愛を抱き、密かに通った後、彼女を攫って妻にする。その後、少将は落窪の継母に様々な復讐をするが、一通り復讐を終えると、中納言に自分が婿となっていたことを告げ、以後は一家を守り立てていくことを約束する。

古典「落窪物語」を現代語訳+アレンジした小説。
記載の通り、性根の優しい娘が権力者に見初められるという、非常に単純なシンデレラストーリ—なのですが、登場人物たちのやり取りが生き生きしており、新鮮に楽しめます。
また、風俗等もとても分かり易く紐解かれているので、古典の読み難さはまったくありませんでした。

姫は、確かに善い人だけれど、おっとりし過ぎていて、かつ受動的すぎて、主人公としては物足りない面があります。
その分、姫に仕える侍女・阿漕があれこれと奮闘するので、先に登場することもあって、こちらが実質主人公のような感じでした。阿漕は落窪の君の侍女ですが、実際は三の姫にも使われていて、その縁から恋人・帯刀がいたり、姫以外のパイプも持っていて、人間関係が狭くないのが有能侍女の証左として効いていると思いました。
ちなみに、帯刀は右近衛少将と乳兄弟なので色々お供するけれど、従者としては蔵人の少将に仕えており、乳兄弟=従者という思い込みを覆されました。実際に、母親と違う家に仕えることはあるのでしょうか。当時に書かれた作品でそうなっているのだから、あったのでしょうけれど……
苛め役である中納言の北の方は、落窪に通う男がいることを嗅ぎ付けてから、苛めかたがヒステリックにエスカレートして、その辺は読んでいて辛かったです。しかし、苛めの原因には姫への妬みがあるという作者解釈や、自分から降参できない勝ち気な性格はリアリティがあり、憎めない人物だと思いました。

最後の仕返しのうち、清水詣りの件と牛車争いなどは、荒っぽくて不愉快でしたが、最後は円満に終わるので許容範囲。特に、四の君の婚礼に関する顛末を変えてあり、現代人でも受け入れ易い形になっているのが、アレンジの巧いところだと思いました。
ただ、古典通りの展開ではないので、「落窪物語」を読もうと思って本書を手に取るのは間違いだという注意が必要そうです。

帝国劇場「1789 バスティーユの恋人たち」12時回(おけぴ観劇会)
http://www.tohostage.com/1789/

本日の配役は下記の通り。

ロナン:小池徹平
オランプ:神田沙也加
マリー・アントワネット:花總まり
シャルロット:万座みゆ
ルイ・ジョセフ:大河原爽介

宝塚月組版(日本初演)の感想は、2015年6月27日記事7月18日記事参照。

宝塚版の良さと巧さも改めて感じたけれど、東宝版も期待通り面白かったです。
脚本は概ね宝塚版踏襲でした。大したストーリ—ではありませんが、フランス革命が分かりやすく潤色されているので、特に不満はありません。ロナンとオランプが恋に落ちる早さは、何回観てもビックリするけれど!

歌は、宝塚版で入れ替えた楽曲をオリジナル版準拠に戻しているところもあれば、「私は神だ」がアルトワのままだったり、宝塚版の新曲(オリジナル没曲)も入っているし、逆に削られた曲目は復活していたりと、両者の良いところ取りをした感じです。
本作は、打ち込み音楽の上に、キャッチーにして難解な歌が乗っているという、音楽が冒険しているミュージカルなので、沢山曲を使ってくれるのは嬉しいですし、満足度も高いです。
しかし、私が本作で一、二の名曲だと思っている「声なき言葉」がなかったので、完全版とは言えないのが残念!
また、出演者が宝塚の半数程度なので、「三部会」のシーンは人形劇形式で行われました。演出としては非常に面白かったですが、ラマールたちがすべてのフレーズを歌うので、やや分かりにくいと思いました。

以下、役者ごとに簡単な感想です。

主人公ロナン@小池徹平は、振る舞いは粗野だけれど絶妙に可愛くて、学のない農民、というポジションがしっくりくる説得力のある演技でした。
歌唱力も十分。「自由と平等」のラップ箇所以外は、まったく安心の出来でした(ラップは、続くデムーランも酷かったので、比べると小池徹平は巧いと思いましたが)。
非常に小柄で、ソレーヌの方が姉に見えたので、こちらの組み合わせは、いっそ姉弟設定でも良かったのではないでしょうか。

オランプ@神田沙也加は、声が非常に良いですね。もちろん歌も期待通りの歌唱でした。利発で真面目な職業女性という風情で、好感の持てるオランプでした。

初めて生で観ることになったアントワネット@花總まりは、さすがでした。
存在感と同時に透明感があって、特異な役者だなと思いました。

ソレーヌ@ソニンは、一幕「夜の女王」は率直に言って期待外れでしたが、二幕「世界を我らに」は迫力がありました。本作の楽曲はテンポも独特だし高低差があって難しいことは分かっていましたが、相当の技術を要求されることがよく分かりました。

ダントン@上原理生ロベスピエール@古川雄大デムーラン@渡辺大輔の革命家三人組は、個性付けという意味では上原理生の一人勝ちだったように思います。歌が一番安定しているのはもちろん、体が大きいためか、踊りも意外と目を引きました。しかしソレーヌとロナンが再会するシーンでの笑いを誘うのは失敗していたので、間の取りかたを研究して、愛嬌を入れると良いのでないかなと思いました。
古川雄大は、三部会の人形の動きが巧くてツボに入りました。
渡辺大輔は全体的に硬くて音程も不安定。ビブラート具合が宝塚版でデムーランを演じた凪七瑠海の声に似て聞こえて、不思議な気持ちになりました。

ラマール@坂元健児は美味しすぎ。王党派に属する男性陣の印象をすべてかっさらってしまいました。カーテンコールの拍手が一番大きかったのでは……。まあ、私も大好きですが!
トゥルヌマンとロワゼルに個性が見えず、どちらがどちらだったか、最後まで分からなかったのが残念。

王党派で期待していたうちの一方、ペイロール@岡幸二郎はさすがの迫力と、素晴らしい鞭使いでしたが、もう一方のアルトワ@吉野圭吾は、「私は神だ」のキーが完全に合っていないようで、苦戦している姿を初めて拝見しました。
催眠術と媚薬でオランプを操ろうとするエキセントリックな面と、大物のように振る舞っているけれど滲み出る小物感は良かったです。

フェルゼン@広瀬友祐は、フェンシングのスタイルが格好良かった。

東宝版の役作りで唯一物申したかったのが、ポリニャック@飯野めぐみ。アントワネットへ友情を感じられず、ただ宮廷女性の一人として取り入っているだけに見えました。そのため、フェルゼンに手紙を届けさせるやり取りでは、実は秘密警察と通じているのでは、と疑ってしまいました。
また、もう少し上品な貴婦人らしく振る舞って欲しいです。

子役は二人とも可愛いらしかったです。
シャルロット@万座みゆは、ダントンとの大小コンビっぷりがオシャマで可愛いですね。

奥田英朗著「ララピポ」

【あらすじ】
欠陥住宅に住むフリーライターの杉山博は、蓄えを切り崩しながら生活する日々を過ごしていた。そんな中、上階に引っ越してきた若い男の部屋から漏れ聞こえるセックス中の女の声に興奮を覚え、やがて盗聴して自慰するようになる——

  • 1話 フリーライター杉山
  • 2話 上階に住む風俗専門スカウトマン栗野
  • 3話 栗野にマネージメントされている熟女モノAV女優の良枝
  • 4話 良枝の隣家に脅迫状を送り続けるカラオケボックス店員
  • 5話 カラオケボックスで女子高生と淫行する官能作家西郷寺
  • 6話 西郷寺の小説のテープリライター

という形で6人の登場人物の人間関係が少しずつ交差しています。
他の人物の話では脇役だった人が次の章では主人公になり、外からは分からない人間の内面が見えたり、実は人間関係がぐるりと循環していることが分かったりという要素は面白いです。
1話で博にとって都合のいい女として登場していた小百合が、博と寝た理由は、あまりに鮮やか、且つ思いもしなかった裏切りで、思わず膝を打ちました。

ただ、登場人物の関心が性的なことに終始していて下劣なので、最初は読んでいて辛かったです。自尊心だけ強い怠惰な人が落ちていくところを見せられても、私は不愉快だと思いました。どう楽しむべきか分からないです。
ちなみに、この本を読んだのと同日に、漫画「崖っぷちルームシェア」を読み、同じことを思いました。駄目な人間を描いた作品って、意外と需要があるんですね……。

そんなわけで、1話と4話は共感できない主人公にずっと腹を立てていてし、3話は気味が悪かったのですが、5話と6話は面白かったです。
読み慣れたのかも知れないし、この2つだけは割とハッピーエンドだからかも知れません。5話の西郷寺は最終的にホームレスになってしまうけれど、本人は心の平安を得たように思えたし、6話の小百合は三流の生活を自覚していて、それでも前向きでまったくめげずに強く生きているので、なんだか応援したくなる人物でした。
2話の栗野も、本人は精一杯仕事しているだけですし、普通知る機会がない風俗業界について勉強できて興味深く感じたので、トータルでは面白かったと言えます。