現在地:Chapter09・演説(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。
注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。
私はスピーチライターではないので、ルナフレーナの演説の添削はしたくないのですが、せっかくの盛り上げどころなので挑戦してみようと思います。
この演説は、主に3つの構成になっています。
まず第一が「世界が闇に覆い尽くされつつある」という警告。第二が「神の力で世界は救われる」という救いの提示。第三が「そのため水神を目覚めさせる」という自分の行動の説明です。
第二段階以降の台詞は、特に問題なく聴けると思います。世界を救うという決意表明も、神凪らしい印象を受けます。
問題は、前提である第一の警告部分にあります。
世界はいま 光を 失いつつあります
このままでは 世界は闇に
覆い尽くされてしまうでしょう
闇は 人の心に 争いや 悲しみを生むのです
ルシスで起きた悲劇
停戦協定を結べず 多くの人々が
命を失った あの日の悲劇のように
この語りには、根拠やこれまでの伏線がありません。
Chapter10以降になると、「夜が長くなっている」という話が巷の人々にも実感できる状態になります。しかし、この時点ではごく一部の鋭敏な人が感じているだけです。
実際のゲームでも昼の時間が短くなっているのですが、Chapter08で寄り道しなかったプレイヤーは、まず気付けないでしょう。
また、その話を知っていたとしても、「世界はいま 光を 失いつつあります」という抽象的な説明では、文字通り夜が長くなっていることを指しているとはわかりません。
ルシスの停戦協定を一例としてあげているために、帝国の脅威を比喩的に表現しているのだろうか、とも思ってしまいます。
それから、これはゲーム的な問題として、聞く側の人間の心理状態にも沿っていません。
この時点でのノクトたちの旅の目的は「帝国を倒す」ことであり、「星の病」に対して働きかけようとは思っていません。
Chapter05で、ゲンティアナから六神の力を集めるように指示された時の目的も「聖石を取り戻すため」であり、「星を救え」とは言われていないため、帝国打倒のために助力してくれているように思います。
そのため、ルーナの演説はプレイヤー(ノクト)に直接関わりのある話に聞こえず、どのように受け止めればいいのか困惑します。
というわけで、問題は洗い出せましたが、それをどう直すかは少々難しいところです。
演説である以上、聴衆の心を動かさないといけません。しかし、今回はシリーズ記事の趣旨通り「わかりやすくする」変更案としておきます。
【変更案】
世界はいま 光を 失いつつあります
お気付きの方も いらっしゃるはずです
夜の時間が増し 闇から出た魔物が跋扈しています
このままでは 世界は闇に
覆い尽くされてしまうでしょう
そして 闇は 人の心に 争いや 悲しみを生むのです
それにしても、ルーナはなぜ演説を決行したのでしょうか。
演説によってルーナが得たものは、水神の啓示に伴う被害を「仕方なかった」と思ってもらう免罪符だと思います。
しかしキャラクター設定からして、それを目的に演説をしたとは思えません。
もちろん、あらかじめ儀式を告知することで、住民を避難させ、被害を最小限に抑えるためだったのかもしれません。でも、それなら「水神が目覚めると被害が生じるかもしれない」ということを伝えるべきです。
それとも、イオスの人々なら、言われなくてもわかることなのかなぁ。
参考記事