• 2010年11月25日登録記事

パリの回想の続きから。

【1幕第15場 パリ南駅(パリE)】
脱出のため待ち合わせた駅で、リックはイルザからの別れの手紙を受け取った。

まず、銀橋に並んだ避難民をカメラがじっくり流してくれるので、一人ずつ確認できるのが嬉しいです。観劇時に個別に確認しようと思って見ていた生徒以外は、DVDでようやく立ち位置が確認出来ました。
東京公演から追加になったサムと駅員の押し切って乗り込むやりとりがなく、スムーズに電車に乗り込めるのが少し物足りないけれど、あれを追加したことは尺的に問題なかったのでしょうか。DVDで見てるとやりとりなしでも結構ギリギリですよね。

【1幕第17場 カフェ(F)】
泥酔したリックの元に、イルザが現れる。なぜ待ち合わせに来なかったのか説明しようとするが、リックは彼女を詰ってしまう。同時に、彼女への愛がまだ自分の中にあることを気付かされる。

「彼女はきっと来る」と断言したリックの台詞が、自信ではなく自棄だと解釈してこの場面に到達すると、酔って幻を見ている気持ちなのかな、と感じるリックの眼差しでした。
釈明に来た女性に対してネチネチと小者っぷりを遺憾なく発揮するリックは、主人公の癖に格好悪さ全開ですが、イルザを傷付けた言葉の刃で一緒に自分も傷付いているところが分かるので、憎めないように思います。
さて、これまた観劇時の楽しみだった本舞台全員のストップモーションですが、残念ながらしっかりは映っていません。1回目は全体を引きで撮っているため確認できる(でも直ぐリックに寄ってしまう)のですが、2回目はサムとフェラーリの身体の一部が見えるだけです。本当に残念。

実は、ここまでのカサブランカ第一日目のお話は登場人物紹介のみで、まだ何も物語は動き出していないんですよね。それなのに見所満載で濃厚な1幕で、もう重大な展開が何度もあったかのような印象です。
実際、現在のお話が動き出す2幕より1幕の方が、色々な人間が蠢いている感じが合って個人的に好きでした。でも2幕も当然見所がありますし、DVDで観直すとまた違った面白さを発見できるものなので、先のDVD感想ものんびり楽しんでいきたいと思います。
と言う事で、2幕へ続きます! 今年中には終えられそうですね。