• 2009年04月登録記事

短編「独りきりの戦場」をアップしました。

しいなとコレットのお話。
アップ直前になって、前半の状況が非常に説明不足である事に気付いて修正。長い事寝かせてあったネタだと、状況は自分の頭の中に完全に出来上がっている為に説明不足に成りがちです。
一方、後半の心理については説明過多になってたところを修正しました。理由は、純粋にくどいかなと思ったのと、捉え方は読み手の方に預けたかったため。
ちょっとイメージを強調し過ぎて、どちらのファンからもお叱りがあるかもと恐々してますが、麻生はコレットは芯の強さ、しいなは人間的な弱さがチャームポイントだと思ってます。

それにしても、今回は捏造にも程があるので、断り書きを付けるべきか最後まで悩みました。
魔導砲発射のため離脱していて人間牧場での出来事を知らなかったしいなが、その後スムーズにコレットの病気回復のシナリオに合流してることから練ったお話です。
とは言え、しいながコレットの永続天使性無機結晶症を知っていて見過ごしたと言うのは、無理があると承知してます。日誌SSにして再録小話扱いにした方が正解だったかな、と思う面もあります。
うーん、せめて「特殊設定」くらいの注意書きを付けるべきでしょうか?

ちなみに、読み切り小説を更新するのは、2005年1月の「Jesu, Joy of Man's Desiring 3」以来です。
それ以来、更新自体の頻度が遅いのと、最終封印かお題小説しか更新していなかったと言う事ですね。いつも更新履歴欄にどう書いていたか忘れて、遡ってしまいました。コンテンツのトップにあるページなのに、こんな扱いで吃驚です。
と言っても、麻生自身が天の響メインコンテンツと思っているのは最終封印ですし、読み切りでもお題でも常に原作準拠話しか書いてないので、自分自身ではあんまり久し振り感がないのでした。

「たまごスクランブル」に関する基本事項はこちら

タロット紹介その2。
その5記載の通り、カード効果に関しては、移動中に使用出来るかどうかも含めて、ほぼ未定部分。
詳細説明はメインストーリーのネタバレ含みます。

04【エンペラー】
能力:(戦闘)敵全体に無属性攻撃。
性格:気前の良いロマンスグレーの小父さま。
前世:たまご世界の王。他国との戦争中、忠臣と信じていた男に背後から刺され死亡。
入手:100階到達ED後、クリアデータを呼び出すと自動的に入手している。

05【ハイエロファント】
能力:(戦闘)防御力が30%アップ。
性格:信仰に生きる爺様。
前世:エンプレス即位時の法王。自死する。
入手:現世の布教状態を確かめるため地上へ行ってしまっている。5階に侵入した事がある(=プリエステス入手後)状態で街に戻ると一定確率で街人に紛れてフィールド上に出現しているので、会話するとカードに戻る。

06【ラヴァーズ】

恋人

能力:(移動中・戦闘)フィールド上の魔物を一定確率で眠らせる
性格:青年と娘の二人組。青年は無口で穏健派。娘は行動派だが早合点することも多い。
前世:駆け落ちをしたが逃げ切れず入水する。
入手:34階到達時点発生のイベントで登場、逃走する。追いつめると戦闘。戦闘後、フールに唆されカードから解き放たれ自由の身になろうとしていた事を告白。フールを信じているため、カード化には納得せず、アイテムとして入手。40階でフールを発見すると、騙されていた事が判明しカードに戻る。
備考:濃度がおかしいのは、中途半端なペン入れがされてる為。
作成当時の麻生がどういうつもりなのか、裏にはデニムとカチュア、と描いてある(表にラヴァーズって描いてあるし、恋人のつもりで描いた記憶もあるのに!)。もしかするとこの二人、姉弟なのかも。

今週末の土日中に、TOS小説をアップします。
と、宣言する事で自分を追いつめてみます。今は取り下げてしまってますが、最終封印の最新話に載せてた次回予告も、同じような効果を期待して、まぁ6割くらい守ってましたよね。
多分、散々日誌でも書いてると言っていたしいなとコレットのお話が仕上がると思うのです。いつも通り大変短いので、読み応えはあまり期待しないで頂けると幸いです。

と予告しつつ、抜粋は半年ぶり近いオリジナル。


「あなたは、神様? それとも悪魔?」
 光満ちた途を指し示す欠けぬ月の使者か、侵蝕する闇の誘惑者か。だが、たとえ悪魔であったとしても、其の手を取らぬ選択は存在しなかった。


今の所、考えてるお話の一節と言うわけでなく、フォウル様と出会った時のリートのイメージです。

女のように軟弱な上、文字も読めない愚鈍な王子――
城壁の向こうから聞こえる密やかな囁きの意味を理解した途端、ホゲは弾かれたように飛び上がり、陰口を叩く連中をきつく懲らしめてやろうとした。
その腕を掴んで引き止めたのは、噂の王子、他ならぬタムドクだった。
「……いいんだ」
大きな瞳を細め、困ったように微笑む。その表情と向き合うとホゲは何も言えず、諦めと共に槍を放り出すと仰向けに寝転んだ。
実のところ、タムドクが揶揄にされている現場に居合わせるのは、これが初めてではない。最初の時こそ、タムドクの為に憤ったと言うのに当人が止めるものだから、次第に彼への腹立ちが勝って、取っ組み合いの喧嘩をしたものだけれど、今はタムドクが決して噂を否定しようとしない事が分かっているから、その意志を尊重してホゲも押し黙るのが常だった。
しかし釈然としない気持ちは否めず、ホゲは天を睨んだ。
大人達がもっともらしく話している話は嘘だらけだ。
タムドクは賢い子供だった。“自主練”の他は、よく書庫で物語を読んでいることをホゲは知っている。話して聞かせた城壁の外の出来事も良く覚えているものだから、彼が王宮の外に出た事がない事実を時折忘れてしまう。打てば響くように返る会話の楽しさは、他の者との会話がつまらなくなるほどだ。
――槍の腕が上達しないことだけは本当だったけれど。
ホゲに倣って槍を放り出し、寝転がったタムドクは、幼い頃と変わらず、ホゲの不出来な弟子だ。
構える姿に限って言えば一端の武人に成長したが、いざ立合うと、最後に必ず大きな隙を作ってしまうものだから、たった一度を除いて、ホゲの白星を示す小石ばかりが積み上げられている。
それでも、彼が本当は良い友であることは本当だった。
「……いいんだよ」
もう一度、タムドクが言ったので、ホゲは薄く頷きそのまま天を見上げていた。


前述の通り、原作ドラマは見てないので、あくまで花組版太王四神記からのイメージ。

役者の年齢や子役時代の身長差のこともあり、ホゲがタムドクより兄ぶって見えるのですが、要は出来の悪い弟分に優越感のような感情を持っていたのではないかなと。
だから、武道大会で一度槍の仕掛けを暴かれた後でも、あれは「まぐれ」くらいの認識で、実戦で負ける筈ないと思ってる。
でも実際は、タムドクは親友のホゲにもずっと完全な素顔は見せてなかった上に、それが見抜けていなかったホゲは、結局空回り人生なんだなぁ。

大きいテレビ+良い音響環境で見るとDVDも良いものですね。舞台では聞き取れないモブの音声までかなり入ってる事に驚きました。PCのスピーカも良いものにすべきかな。

【第3場 神器の行方】
チュシンの星の輝く夜、王妃チャピと王妹セームは共に男の子を産む。
その夜、火天会は目覚めた神器を奪うため各地を襲う。朱雀の紅玉と護り主キハは火天会に囚われてしまう。
玄武の神器を守るコムル村の護り主ヒョンゴは、火天会が立ち去った後のサビ城で黒朱雀の徴を額に持つ幼子を見付け、スジニと名付け育てることにした……

このシーンの「チュシンの星が輝く時に」の音楽が好きです。
コーラスの中で独りだけマイク音量が強いのは大神官でしょうか? 舞台ではまったく気付きませんでしたが、DVDだと突出して聞こえます。
未涼に注目して観ると、語り部としての役を果たしながら、ヒョンゴとしての演技もしているんですね。声のトーンは全然変わらないのがさすが技巧者。ホゲ誕生のシーンを、沈黙して見詰めるヒョンゴの視線に、色々感じます。
このシーンには沢山の子役が出てきますが、神器の護り主三人の子供時代、みんな美少年・美少女ですね。少年ヒョンゴ@梅咲、少年チョロ@華耀は無条件で「可愛い」と言える美少年。でも少女キハ@月野は、子役にしてはスラっとし過ぎていて10代に見えるのが難点ですね。このシーンでのキハを認識した年齢が、そのままタムドクとの年齢差になってしまうので、もっと幼く見える子を使った方が良いかな。
「マッカツの鍛冶村では、親父が白虎の神器を剣の柄から取り外し、倅に預けて逃がしていた。倅は妹を背負って走る」と言う下り、リピートしている内に、この台詞だけで泣けるようになりました。パソン@桜は、子役でなく成長後も引き続き演じているのですが、このシーンではちゃんと少女に見えるのが流石芸達者。声が凄い可愛くて、火天会に捕まったお兄ちゃんを求めて声を上げる姿だけで涙が出ます。尺があれば、パソン兄もちゃんと登場させて伏線回収して欲しかったなぁと思います。
ヒョンゴのお父さん(前村長)はヒョンスって名前だったんですね。DVDで初めて知りました。変な名前だと思ったけれど、ヒョンス→ヒョンゴで、コムルの別の民はヒョンミョンなのだから、コムルの民は「ヒョン」と付く決まりでもあるのかも。
そのコルム村の人々の中に、個人的に柚木礼音に似て見える子がいました。「コムルの民」役は12人もいて名前不明のため、立ち位置で説明すると、スジニを拾ったヒョンゴを映したシーンで、向かって右後。私は、人の顔を見分けるのが非常に苦手で、似てない人同士を「似てる」と言ったり逆もまた然りなので、DVDを持ってる方は、似てるか似ていないか客観的にチェックして下さると幸いです。
そうそう、キハが烙印を押されるシーンで、炎の幻影の演出が殆ど映ってなくて、よく分からない事になってました。この日に照明さんが失敗したのか、DVDだと照明効果が映り難いのか、どちらでしょう?
眠れ愛し子よ、と唱う三人の中で、本当に子供を真っ直ぐ愛していたのはチャピだけなのかなぁと思うと、良い歌なのですが少し空恐ろしくなります。プルキルは強奪した少女が自分の野望に役立つから「愛し子」と呼び掛けているのだし、セームは自分と息子を同一視しているような印象を受けます。
尚、チャピはタムドクを産んで三日後に亡くなったと言う事で、これが齋藤先生演出なら、原作になくても「母の面影をキハに求めるタムドク」なんてシーンを創作したと思うのですが、残念ながら小池先生はマザコンでないため、初姫の王妃姿はここで見納め。

【第4場 成長】
チュシンの星の夜に産まれた二人の少年、タムドクとヨン・ホゲは親友として育つ。
タムドクは父ヤン王から、王になる日までは「愚かでひ弱な王子」と見せ掛けて生きるよう厳命されていた……

開幕から15分で二千と十数年が経ち、まずは主人公の子役が登場。
少年タムドク@野々はいかにも子供っぽい役作りで死角なし。少年ホゲ@白華は、動きだけ観ていると意外と少年らしく好みなのですが、残念ながら声が女の子ですね。あと気合が抜けてると「いいとも!」で笑わされます。
で、騎馬隊と第三近衛隊の円陣ダンス&諍いの間に、大きく成長を遂げた二人が遂に登場。
タムドクは台詞を言ってから下手から登場し、そこで一旦キメ。一方ホゲはその後の殺陣に割って入り、0番位置で名乗ってキメ。組替え前の大劇場公演でこんな良い扱いしてもらえた事が嬉しいです。
「俺が王なら大臣になってくれ」と言ってるんですから、ホゲはタムドクを馬鹿だとは思ってないってことですよね。どこまでタムドクは素の姿を見せていたのかな?と非常に不思議に思います。少なくとも、槍の腕は自主練習中も誤摩化してた筈。
やんちゃ坊主って感じで、可愛いなぁと思います。このシーン、初見は「銀ちゃん?」と思ったけれど、もっと若いですね。それに表情が悉く明るい。二幕の人相悪いホゲと同一人物には見えません。幕間にメイクを変えてるのかな、と言う気がします。
ホゲはお兄ちゃんぶって見えますけど、実は主要登場人物で一番年下なんですよね。チュシンの星の夜の時点で、キハ(少女)>スジニ(赤子)>タムドク(夜に誕生)>ホゲ(夜明け前に誕生)なのに、花組では演じてる人の学年が完全に逆転してるので、ファンであるほど気になる年齢関係。星組版は年齢と役が比較的合致した形になるのではと期待してます。