• 2015年05月登録記事

畠中恵他著「作家の放課後」

新潮文庫作家陣による、22編の体験エッセイアンソロジー。
体験といっても、お茶会やそば打ち等のいかにも体験教室らしいものもあれば、断食、散策や古本屋巡り、工場見学的な内容まで、バラエティに富んでいます。
裏表紙の紹介文には「爆笑エッセイ」とあったけれど、全体的には真面目なレポートが多かったです。とは言え、やってみたいと興味を持っていた分野であれば、作家が熱く語っていて面白いし、そうでない場合でも多くはレポートとしてキチンと纏まっています。

良かったのは、万城目学「高みをめざす」(ロッククライミング)と森見登美彦「この文章を読んでも富士山に登りたくなりません」(富士登山)。どちらも、ちゃんとオチが付いたお話になっていて面白かったです。
体験談としては、西加奈子「占いいかがでしょう」(占い)は、占いに対する分析や良い捉えかたが素敵だなと思いました。

逆に、退屈だと思ったのは青山七恵「浴衣と私の新しい歴史」。
読んでいて企画に対してやる気を感じないし、もし実際はやる気があるとしても物臭過ぎます。浴衣を作って着ようという企画なのに、途中で投げ出して先生に作って貰うという時点で、私とは性格が合いませんでした。

高杉良著「不撓不屈」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
税理士・飯塚毅は税法解釈を巡り国税局を相手に訴訟を起こしたが、報復として税理士免許の取り上げが示唆され、事務所や顧問先への弾圧的な捜査が始まる。職員が逮捕され、絶体絶命の窮地に陥る飯塚だったが、支援者により国会での論戦が始まり、遂に無罪判決を得る。

株式会社TKC創業者の話……ということも知らずに読みました。そのため、プロローグの段階でビックリさせられました。

現在ある「賞与引当金」が生まれる過程にこのような事件があったということは、大いに勉強になりました。
また、「自利利他」という語にも感銘を受けました。
しかし、小説としては、事態の推移を並べられているだけで盛り上がりに欠けます。また、下巻は、事件よりTKCの理念や飯塚氏がいかに活躍したかという話にシフトしていくため、率直に言えば提灯記事を読まされているような印象を受けたのが残念でした。
国家権力と闘った男を支える家族の絆を描くならそれを中心に、事件自体の推移を追うならそれを中心に、もう少し焦点が絞られていたら、話自体は非常に力強いプロットですし、飯塚氏の人物像も強烈なので、より面白くなりそうなお話だったと思います。

現在地:大剣の渓谷到着まで

クエストは諦めました。
エルト海で手に入るという「マリンマーブル」が1個も出ない!
ルーナ・グラディから入手する「グラディの光沢扇」も1個も出ない! 腐りかけの赤身はもう要りません。
それから、パーティを平均的に使おうとしていましたが、当面シュルク・ライン・カルナで固定して先に進めることを優先することにしました。キャラクターとしては、二軍メンバーの方が好きなのですけれどね。

以下、ストーリー順にざっと。

監獄塔では、急いでるはずなのに、皆が逐一オブジェクトに反応したり、メリアが名所案内的な説明をしてくれるお陰で、物見遊山な雰囲気があるので笑えました。
お陰で、クエストで時間を相当浪費したことに対する罪悪感も薄れました。

そしてようやく、「顔付き」の機神兵の中身が人であることがキャラクターにも明かされました。
Wii版のCM時点でネタバレしていたことですが、個人的に、操縦タイプだったことは驚きでした。機神兵のビジュアルからして、血液と脳だけ流用しているのかと想像していたのです。
ただ、フィオルンの「中の人」だけ別人なのは何故かとか、疑問が増えただけのような気もします。

フィオルン奪還のため機神界を目指すということになり、話の流れ的にメリアは離脱するかと思いきや、斜め上の身代わり展開に顎が落ちました。まさか、このための仮面だったとは言いませんよね?
とりあえず、カリアン殿下の株が私の中で暴落しました。
だって、帰還したメリアが「皇太子の名を騙る不届き者」として処罰されるフラグにしか見えません……。
殿下は善人だと思っていたけれど、早計だったのでしょうか。逆に、もしこれが善意の申し出なら、殿下の能力に疑問が湧きます。もし懸念した事態に陥らないとしても、これから連合軍を作ろうというときに、肝心のハイエンターの代表が身代わりでは、どのみち問題じゃないですかね。
あと、システム的には一瞬でコロニー9まで帰れるのだから、顔繫ぎくらいしてあげても良いのでは、と思った(笑)。

ヴァラク雪山は、大変な急勾配に視界も侭ならないことがあり、これまでとはまた違う雰囲気で目新しかったものの、ランドマークできる箇所が少なくて疲れました。攻略に多大な日数が掛かったのは主にこのエリアのせいです。
バジーナ雪原にようやく着いたと思ったら、ランドマークを発見する前に死んでゾックヘッド峠に戻された時は、しばらく再プレイの気力が失せましたよ。この出来事があって以来、攻略は一軍メンバーに固定したのでした。

ここで期間が空いたため、封印の塔は、なんのために立ち寄る必要があったのか忘れてしまいましたが、モナドが安置されていたという物語の始まりの場所に到達して、ようやくお話が折り返しは過ぎたかな、という気持ちになりました。
シュルクの両親たちは、こんな上層の、機神界に近い場所に来ていたんですね。
ただ、モナドを持ち出されてしまった以上、アルヴィース以降の予言官は生まれないということになるのかしら。このままホムスと繋がりがないままだったら、ハイエンターたちはどうする予定だったのでしょう。

本記事は、あくまで個人の使用感によるレポートです。商品に対する使用感や感想には個人差があるものとあらかじめご了承ください。
また、薬剤知識はないので、専門的な話も出来ません。

と言うわけで、今回の目薬は参天製薬株式会社の「サンテドライケア」。
http://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/products/otc/sante_drycare.jsp

どの通販サイトを見ても四角い容器の画像が使われていますが、現在販売されているものは、公式サイト通り斜め置きタイプの容器です。
開ける際、箱のシュリンク以外は一切包装されていないエコ仕様だったので驚きました。

無色透明、無味無臭。辛みや渋みもありません。
当然、注した時の刺激もないのですが、若干、疲れ眼の奥に染みる気がします。
個人的には、まったく注した影響を感じない商品より、この程度の反応がある方が目薬を使った感があって好きです。
ドライケアを謳っている商品にしては、粘度がなくサラッとした感覚です。そのため、注した液体が瞳から流れ落ちやすく、出先等で気軽に使うには適さないですね。
その点を除けば、全体的には使いやすい印象を受けました。

ベニー松山著「司星者セインー輝きを戴く者ー」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
魔導王ジノンの遺産を探す女盗賊リリィは、魔女王アグナスの死霊軍勢と鉢合わせ危ういところを剣士フォウに助けられる。森を逃げる二人は、記憶を持たない美少年セインと出逢う。この少年こそ、ジノンが遺した遺産・人造の救世主であった。

ベニー松山氏が書かれたウィザードリィ小説「風よ。龍に届いているか」やアルティマニアシリーズでの中編は非常に好きでしたが、完全なオリジナル作品は初めて読みます。
シリーズ第1巻ということで、はっきり言ってしまえばキャラクターの顔見せに終始されていました。
そのため、バトル描写や、気味の悪い敵の描写に関しては感心したものの、単体の小説としては評価不能でした。

文としては、1つずつの事象に細やかな設定を施し、煌びやかな文章力、圧倒的な語彙で描写を重ねる、今となっては古臭いライトノベルの文体です。その上、フォウは比類なき剣士だったり、リリィには神懸かり的な直感力があったり、と笑ってしまうくらい「中二病」なのですが、よく考えたらベニー松山氏の作品はだいたいそういう作りで、そこが面白いのでした。
しかし、今回はオリジナル作品のためか、設定に関する語りが常以上に多く、結果として物語の展開が遅くなっているので、上記のポイントがクドさに転じてしまっていたと思います。
結局、この作者は何らかの世界とキャラクター観を使った小説の方がハマるのだろうと思います。

個人的に一番の問題点は、本来は主役だろうフォウの人物背景がまったく明かされていないこと。どの視点で話を読めば良いのか、少し悩みます。本作は頻繁に視点が変わるのですが、リリィを単独主人公として全体的に組み立て直した方が、話に入り込み易い気がしました。
セインの正体は、読者には最初から分かっていた感があるけれど、他者の祈り=信仰に対して力を発揮するというのは、神が居るのではなく、人が神を作るという解釈が出来て面白いと思いました。
フォウが振るう「意思ある剣」ロストラムは、シャルティエ@TODを彷彿とさせられるキャラクターで、なんとなく憎めなかったものの、感情を曝け出さないフォウやセインより、敵側であるズアグの方に感情移入してしまいました。