• 2017年03月登録記事

現在地:テオとの戦いまで

今回の攻略範囲から戦争イベントが始まりましたが、初陣にて、ルックが戦死しました。
「NO」と言えない日本人の性なのか、セーブしたいと思っていても「いまこそ進軍すべき」と言われると、「待った」で水を差すのは気が引けます。結果、準備不足で初の戦争イベントに進み、三竦みがよくわかっていないプレイヤーの指揮の下、散っていったのでした。
水輪さんに怒られちゃうわ、と思ったけれど、これも運命なので進めます。

その後、予定通りのグレミオの死。
競った末のパーン敗北。
そして一騎打ちでのテオ撃破、と主要キャラクターの死亡が続く展開になりました。

幻想水滸伝I&IIは、「リーダーの資質を問う」お話だなと感じます。
エルフの里を救えなかったときのキルキスの問いには答えずに済むけれど、答えられないという時点で重さを感じます。

なぜですか!ぼくらはがんばったじゃないですか!

グレミオが死んでも行軍し、ベストエンドのためには仇であるミルイヒを許す必要がある。指導者である以上、自分が命を投げ打つことは許されず、脱出のためにお守り役を捨て駒にすることもある。そして父も倒さねばならない。
選択肢で嫌がることはできても、違う展開には進めません。もちろん、それはそう設計されたゲームだからです。でもメタな視点を外せば、リーダーとしての振る舞いを受け入れねばならない、という世界の意志があるのだと思います。

まあ、パーンが死んだのはプレイヤーの責任ですけどね。あと一歩で勝てそうだったのに、テオが「こうげき」のとき、誤って「こうげき」を指示して負けました。

……

しかし、自身では台詞を喋らない主人公の坊ちゃんだけに、グレミオの死における「無言」という演出は非常に大きな心境の吐露なんだなと改めて感じました。

仲間が多いので、どのキャラクターも使ってみたいところなのですが、入れ替えに伴う操作が面倒で、もう固定化してきています。
シーンによっては強制加入もあるので、そういうときは、そのキャラクターを中心に組み立て直していますが、前衛は大体足りてるのですよね。リュウカン先生の庵に行くときなど、強制加入4人(前衛二人)に、後からゲンとカマンドールの前衛二人が加わって、自由枠“0”でした。多数の仲間から厳選して、装備、アイテム、紋章を設定して連れてきた二人を返すことになってビックリだし、そもそも前衛四人とか無駄だし、と笑ってしまいました。
常に埋まっていたグレミオの枠が空いたことで、Mレンジから誰を入れるか悩めて嬉しい、……と言ってしまうと問題発言かな。

村上龍著「希望の国のエクソダス」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
パキスタンに日本人の少年兵がいたニュースが列島を駆け巡ったその年、全国の中学校で集団不登校が始まった。学校での教育を否定した中学生たちは、ネットビジネスを開始して巨額の金を入手し、政界や経済界を脅かす。やがて彼らは、独自通貨の発行、北海道への集団移住などを経て「希望のない国」日本を捨てて理想の国を作る。

中学生たちの反乱と、日本人の性質、政治・経済への批判で綴られた長編。
面白かったです。TwitterやLINEといったツールはもちろん、各種動画サイトがない時代に書かれた近未来小説なので、現代と照らし合わせるとまた話が変わるなと思う箇所もありますが、同時に今読んでも先見の明があると唸る部分もあり、その辺は小説の妙だと思います。
主人公の雑誌記者・関口は、これという活躍もしないのですが、大人を「分かり合えない」ものとして切り捨てる中学生たちに対して、ただ「聞く」だけの関口だからこそ、曖昧な交流を続けることができたのかなとも思います。

この作品の特に興味深い点は、中学生たちを正義として書いていないことです。
確かに彼らの快進撃は爽快だけれど、関口が指摘しているように社会通念を無視しており、善悪の境が曖昧です。それゆえ、勢力を広げる様に気味の悪さも感じます。なにより、革命を成功させた後のポンちゃんたちが格別幸せそうには見えない、という点です。彼らは単に戦って生き延びただけといっても、そこに喜びがないのは異様に感じます。
彼らに「勝った!」というカタルシスがないため、最後は少し締まらない印象を受けました。それは連載物の弱みかと思いましたが、わざと曖昧にして読者に評価を委ねているのかもしれません。

なお、作者は後書きで、この作品を書いた切っ掛けを下記のように語っています。

「龍声感冒」というわたしの読者が作るインターネットサイトの掲示板で、今すぐにでもできる教育改革の方法は?という質問をした。(中略)
わたしが用意した答えは、今すぐに数十万人を越える集団不登校が起こること、というものだった。そんな答えはおかしいという議論が掲示板の内部で起こり、収拾がつかなくなった。

労働者のストライキは労使交渉で有効な一打です。それを学校にあてはめれば、確かに不登校とは学生のストライキ行為でしょう。
しかし、不登校を行使しながら、作中の中学生はなにも要求しませんでした。不登校で得た時間を、自分たちで自由に使っただけです。そして、最終的には日本から事実上脱出してしまいました。
そこから考えると、作中においても教育改革は果たされなかったのでは、と読み終わったいま悩んでいます。

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池袋のBistro Wine Cafe「ルコックロティ」でランチ。
http://www.lecoqroti-ikebukuro.com

軽食のつもりで「ガレットランチ」を頂いたのですが、意外なボリュームがありました。

まず、前菜のサラダ(またはスープの選択制)。
これが、葉野菜だけでなく、パプリカ、豆類まで入った、なかなか内容も量もしっかりした一皿でした。

そしてメインのガレット。薄さの割に食べ応えがあります。
よく考えてみたら、ガレットのサイズはMサイズピザくらい。薄いナポリピザでも、1枚食べるとお腹がキツくなります。ガレットに置き換えても同じですよね。
私が食べた「ノルマンド(スモークサーモン)」は、クリームに玉ねぎの甘みが滲む優しい味でしたが、同行者が頼んだ「ブレス」は、盛り沢山のキノコにチーズが絡んだ塩気の効いた味で、単に「ガレット」と言っても、トッピング次第でまったく違うと驚きました。

デザートも、恐らく単品で提供しているデザートそのままで、十分なボリュームがあります。
ただし、クレマカタラーナが中心部以外固まっておらず、ほぼクリームブリュレと変わらない甘味になっていたのは残念でした。

デザートはややハズレでしたが、料理は美味で、なかなか満足。
ビストロワインカフェと銘打っているし、このお店の推しはロティサリーチキンだそうなので、次の機会があれば夜に利用してみたいです。

現在地:Chapter03・開始(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

CHAPTER03

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

Chapter03は、ニフルハイム帝都 グラレアのカットシーンから始まります。

グラレア

さほど広くない部屋の中に、将校たちのみならず魔導兵まで詰め込まれていて、出入りがし難いし落ち着かない配置です。イドラは自軍の将校に猜疑心を抱いていて、わざと背後に武装した魔導兵を置いて牽制している……という描写だったりするのでしょうか。

イドラ
すぐに見つけ出し 殺せ
指輪さえあればーー

ヴァーサタイル
ひとまず捕らえてみるのがよかろう
六神の力とは人智を超えたもの その力は
神凪の求めにより 王へと与えられると聞く
神凪はよい研究材料だ

殺せ、と指示を出す皇帝を無視して、捕獲を提案するヴァーサタイル。君主に対する上から目線の発言は、ルシスに限らず全世界的な傾向のようです(苦笑)。敬語問題は別としても、指示に対して異なる案を肯定するのは違和感があります。
別の提案をするという方向性であれば「捕らえてみてはいかがでしょう」と伺いを立てる台詞が自然です。

【変更案】
いや 殺すより 捕らえてはいかがか
六神の力とは人智を超えたもの その力は
神凪の求めにより 王へと与えられると聞く
指輪だけでなく 神凪についても
我らが機関で研究すれば
更なる力が得られましょう

事前の発言と違うことを「ひとまず○○しよう」と言い出すのは違和感があったので、「違う提案」をすることが分かるように、否定から始めました。
イドラが力に執着している……という設定も、「力が得られる」という甘言に乗る様子を描写すれば、ローディング中の説明なしで十分表せます。

ヴァーサタイル

また、軍人ではなく研究者側の人間ということを盛り込むため「我らが機関」というフレーズを入れてみました。しかし現状、ヴァーサタイルはこのイベントでしか出番がないため、どういう立場の人間か明らかにする必要がないのでした。

帝国側のイベントが終わると、ダスカ地方に移動したノクトたちの車中にカメラが移動。
ダスカ地方、クレイン地方の説明をしながら進みます。イリスがレスタルムに向かったことも再度触れられます。

そして当のイリスから、電話が掛かってきます。

近くに来たら一度 合流できるといいな

という言葉で自然とレスタルムへ誘導しつつ、道中寄り道しても差し支えない程度の拘束力しか持っていないのはいい感じ。
グラディオが「兄貴にかけねえで」とボヤくのも個人的に好きですし、半分は冗談だろうその台詞を「王子の声も聞きたかったんだろう」とフォローしてくれるイグニスの気配りも光ります。

イグニスのフォロー

ちなみに、レスタルムに着くまでは、どれだけ寄り道してもノクトを悩ます「頭痛」が起きません。Chapter03はタイトル通り世界が大きく広がるのに、移動中、頭痛に関する会話が何度も挿入されて煩わしいので、寄り道を楽しむならばレスタルム行きの前がお勧めですね。
ということで、よし、寄り道するぞ!

寄り道


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参考記事

能町みね子著「お家賃ですけど」

芸能関係に疎いので、作者のことも、背景も知らず読みました。
裏表紙解説には「自叙伝風小説」と記されていますが、実際はmixiの日記を再構成した本とのこと。エッセイと考えて良いのでないかと思います。読んでいる最中、独特で面白い感性だと思う部分と、プロの物書きであることを疑う部分が混在してたので、mixiとわかって納得しました。
なお、巻末にあるmixiの日記再現ページは、ひらがなが多過ぎて目が滑りました(わざとやっていることも書かれていたけれど)。本編は漢字変換されているので、普通に読むことができます。

軽妙な題名から、ほのぼのした下町ものを想像して読み始めたので、若者特有のもどかしさ、不安定さがそのまま描かれた日々に驚きました。もっとも、あらゆる事象が非常に淡々と書かれているし、性転換に関する事情もほとんど触れないので、筆者の心理状態を斟酌せず読むことも可能です。
下町の風情に浸れる部分ももちろん含まれていて、勝手に「加寿子荘」と呼んでいる下宿のようなアパートと、牛込への愛が溢れていて、神楽坂周辺を楽しく散策している気持ちになりました。
私自身は、こういうアパートで暮らすのは無理ですけれど……。