• 2017年03月登録記事

町田康著「スピンク日記」

スタンダードプードル犬の「スピンク」が、小説家の主人・ポチや美徴さん、兄弟犬と過ごす日々を語る、犬エッセイ。

本人視点では「主人と対等な付き合いをしている犬」であるスピンクの語り口が、なんとも面白いです。
異様に人間社会に通じている部分もあれば、犬ならではの価値観や視点を組み込んでくる部分もあって、全体的におかしみを感じます。各エピソードは、可笑しいのか悲しいのか辛いのか楽しいのか、境界が曖昧なところがあり、それも、少し話のとっ散らかったスピンクの話の味だと思います。
一編は短く、連続した話は何回かに分けて語っています。しかもそれが、自宅に蜂が出たとか、暖房機器を買った、という本当に些細な内容のことが多い割に、引き延ばしているという印象もなく付き合えました。

作中にはカラー写真が多数掲載されており、愛嬌のあるスピンクとキューティの姿を、文字だけでなく確認できます。
ただ、それほどページ数のない文庫にしては高額な理由は、ここにありそうです。

しかし、町田康氏が飼い犬になりきって、自分のことを「前世は犬」だとか書いているのだと思うと、読んでいて思わずニヤニヤ笑いが浮かびました。

現在地:Chapter03・王と神々の伝承(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

釣りを極めし者

遅まきながら、トロフィーコンプリート達成。プラチナトロフィーの「ワールド・ワンダラー」取得しました。
最後まで残っていたトロフィーは「釣りを極めし者」でした。釣り自体は楽しいけれど、釣りの時間を確保するのが面倒で、一番最後に回したためです。
偶然読み込みが遅れて、トロフィー取得のスクリーンショットはレベルアップの瞬間ではなく写真閲覧中になりました。でもこれまた偶然、ノクトの写真だったので、なんだか凄く狙ったような「釣りを極めし者」の写真になりました。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

前夜の会話から引き続き、翌日はイリスとのデートから開始。
散歩を受け入れられて喜ぶイリスに、「お待ちになった甲斐がありましたな」と声を掛けるジャレッドが好きです。ノクトと出掛けたくて待っていた、と自然に第三者から気付かされるところが良いですよね。イリスを可愛く感じます。

イリス

散歩中の会話は、突っ込みどころがないので割愛。
基本は単純な二択ですが、会話パターンを聞いてみたくなるやりとりの楽しさだと思います。

ホテルに戻ると、タルコットから「伝説の剣」が近くの滝の中にあるという噂話を教えてもらえ、王の墓への探索が始まります。
……「伝説の剣」の存在が噂になるのは、よく考えたら不思議ですね。滝の中の洞窟は、現地まで行けば誰にでも発見できるけれど、仮にシガイを踏み越えて奥まで辿り着いても、墓所の扉が開かないため、剣があることは確認できないはず。
それとも、覇王の墓所のように暴かれた場所があることから、「墓所に剣がある」という情報が一部に知られていて、「滝の中に墓所があった」→「滝の中に伝説の剣がある」と転換されたのでしょうか。

滝の中は、相変わらず賑やかに探索して終了。
次はノクトの頭痛の原因を探ることになり、一旦レスタルムに戻ります。
ここで、頭痛を訴えるノクトを初めて見たイリスが心配して声をかけるのですが……

イリス
大丈夫? どうしたの?

グラディオラス
イリス 心配すんな

気遣われたノクトが「心配するな」と答えるならば構いませんが、第三者であるグラディオが、わざわざ二人の間に割って入って気遣いを断るのは、非常に変な態度です。

謎の三角関係

まさか、妹を盗られたくない、シスコン兄の嫉妬なのでしょうか……。
これ以前のやりとりも相俟って、グラディオは「頭痛の件を深刻に考えていない」ように感じてしまいます。そう思わせる目的がないなら、ここはノクト自身に「心配ない」と言わせておくべきでしょう。

カーテスの大皿を観察するため、一行は展望台へ移動。

うさんくさい男アーデン

うさんくさい男
あれ 偶然

グラディオラス
おい またおまえか

重箱の隅を突きますが、「また」というほど遭遇していたかしら。これが2回目です。しかも前回は調印式前ですから、それなりに間が空いています。
王の盾として警戒心なのでしょうが、現段階では、電話番号総当たりで王子の携帯に辿り着いたストーカー気質なディーノ氏の方が余程危なく感じます。
プレイヤーに対する注意喚起なら、プロンプトに「あ、ガーディナにいた…」と呟かせる手法もありますね。土地と結びつけて「前も会ってる人」と思い出させるのは比較的有効だと思います。

アーデンの台詞はテンポが良いため手を入れにくいのですが、「カーテスの大皿は帝国軍が封鎖しているため入れない」という前提情報が抜け落ちているのが気になります。アーデンと一緒に行く利点を盛り込んでもらわないと、ドライブへ続く必然性がわかりません。
アーデンの台詞の途中で、イグニスに少し割り込んでもらうのが良いかと思います。

【変更案】

うさんくさい男
会いにいってみる?
何か伝えたいんだと思うよ

イグニス
あそこは帝国軍が封鎖している
入れないはずだ

うさんくさい男
じゃあ いっしょに行こう
オレ 帝国に顔が効くんだよね

なお、「ってみる」は平仮名で、「いっしょにこう」は漢字なのは、ゲーム中の表記通りです。
職業柄、このような表記の揺れは気になります。本来なら、表記ルールを作ってゲーム内で統一すべきでしょう。少なくとも、同一イベント中は統一して欲しいです。

次回、楽しいドライブに続きます。


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参考記事

3DSのタワーディフェンスゲーム「お宝ディフェンダー 〜ファラオの秘宝〜」体験版を遊びました。
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000042099

お宝ディフェンダー

秀逸なタワーディフェンスです。

プレイヤーはピラミッドに眠るファラオの霊となり、宝物に向かって歩く盗賊たちを罠にはめて退治します。
体験版は10ステージ分も遊べて、かなりのボリューム感。序盤ステージはチュートリアル付きで進むので、構えず遊べます。
クリアするだけなら多少ミスしてもOKですが、守った宝物の数がステージセレクト画面にスカルの数で記録されるため、体験版なのにちょっと熱を入れてプレイしてしまいました。

ステージセレクト

※体験版のセーブデータは、製品版に引き継げません。

タワーディフェンスといいつつ、罠は各ステージに最初から固定設置されていて、任意に設置したりする構造にはなっていません。そのため、プレイヤーがすることは盗賊の動きをよく見て、良いタイミングで罠を起動するだけという非常に単純な作りですが、効率的な起動の順を考えるパズルっぽさと、巧くタイミングを合わせて複数の盗賊を一網打尽にしたときの爽快さは、かなり中毒性があります。

お宝ディフェンダープレイ画面

※流血表現はオン/オフ設定可能。

下画面でしか罠を起動できないのに、最大2画面使う仕様は、目配りと素早い決断&操作を要求してきますが、それが快感になっていくのが面白いところ。
これは、次第に難度を上げていくマップ構成の巧みさによるものだと思います。
足の速い盗賊にすり抜けられて焦っている内に、後続の盗賊を罠にかけ忘れたり、とドタバタすることもありますが、工夫次第でリカバリーもできるため、ステージクリアするだけならなんとかなりそう、と思わせてくれるのはいい具合です。
ただ、体験版では登場しない、床トラップや天井トラップで倒せない盗賊(タフ)が登場したら、難易度が跳ね上がりそうかな……。

強いて難点を言うとすれば、New 3DS LLですら画面が小さく感じる情報量なので、画面を見ていて疲れることでしょうか。弓矢トラップと槍トラップは見分け難いのに効果範囲が違うので、各マップの配置を覚えるまで少し辛く感じました。

しかし体験版としては文句なしの面白さ。
製品定価も300円と非常に安価なので、これは機会があれば買うものリストに入れておこうと思います。

170313.jpg

現在地:クリア(幻水1)

戦死者がいたため通常エンドでしたが、一応108星は集めました。
自力で仲間にできなかったのは、下記の宿星の皆さんでした。

  • 天威星 ペシュメルガ
  • 地威星 マクシミリアン
  • 地英星 サンチョ
  • 地孤星 メース
  • 地蔵星 レスター
  • 地醜星 ガスパー
  • 地耗星 テンプルトン

レオンは仲間にし損ねやすい、と聞いていましたが、カレッカで会えるので、あとはタイミングだけの問題で簡単でした。
よって、条件を満たさないと登場しないキャラを拾い損ねた感じです。

終盤はノンストップに畳み掛ける展開で、時流に乗ってからは気付けば帝都、という感じでした。
坊ちゃんが国に留まらないことはわかっていましたが、ビクトールから「この国に必要な人間だ」と諭され、フリックからも未来を託された筈なのに、必ず夜逃げエンドなんだなぁと改めて考え込んでしまいました。
魂喰いが戦争を起こしたり、仲間を喰らうのを恐れた、というのが通説のようですが、ゲーム中、魂喰いのせいで余計に人が死んだ、とは感じませんでした。戦争中に犠牲者が出るのは自然だと思います。テッドも、普通に坊ちゃんと付き合っていましたし。魂喰いを持つ者が側にいると悪い影響がある、と明確にわかるようなイベントが一回あっても良かったのでは。
また、基本的に、必ず仲間になる顔キャラでのみイベント進行する仕組みのせいだと思いますが、クレオとキルキスは一緒に王城に突入したのに、留守番組のような描写だったのが解せません。
しかし勝利の余韻の中、ひっそりとマッシュが死ぬのは素晴らしい構造だと思いました。

続けて「幻想水滸伝2」攻略に進むか、一旦別のゲームを挟むかはこれから検討します。

森まゆみ著「いで湯暮らし」

作者名も、谷中・根津・千駄木の地域雑誌「谷根千」も知らず、「旅エッセイ」という裏表紙の説明だけで手にした本。

少々、予想外の内容でした。
旅した内容が問題ではなく、その土地に住む、ということを問う手記です。
本作は改題されており、「暮らし」シリーズという文庫シリーズに組み込んだため現題名になったそうですが、単行本時の題名「プライド・オブ・プレイス」の方が本質を突いていると思います。
正直なところ、読み進めるほどに面白くないと感じて困惑しました。著者の語りたいことは理解できるし、ある程度共感もするけれど、根本的な価値観が違う。それに尽きると思います。でも個人的に、こういう方が積極的に発信していることには安心します。
時折挿入される、息子たちのエピソードは面白かったです。